イオンモール、中国で攻勢 サービス武器、通販に対抗

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 流通大手イオン(千葉市美浜区)が中国で大型ショッピングモールの出店を加速させている。減速懸念がささやかれる中国経済だが、個人消費は高い伸びを続けており、イオンモールも日本流のサービスの良さを武器に、既存店の業績が順調に拡大。中国事業を縮小する日系企業も多い中、強気の投資を続け、店舗網を広げる計画だ。

 北京市内から約40キロ離れた河北省三河市。昨年11月5日にイオンモールとして中国で13店目となる「河北燕郊店」がオープンした。約22万平方メートルの延べ床面積に約200の専門店をそろえた大型店だ。

 周辺は北京に通勤する中間所得層が多く住むベッドタウンとして人口が急増。30代女性の来店客は「この辺りは遊ぶ場所が少ないが、ここは映画館や子どもの遊び場もあって、1日過ごせそう」と気に入った様子だ。

 中国経済はかつてのような輸出や投資が景気をけん引するモデルから、内需拡大によって成長を目指すモデルへの構造転換を急いでいる。実際、消費者の所得は年々向上し、小売売上高は前年比で2桁の伸びを続けている。

 イオンモールの中国事業はこれまで先行投資がかさみ、赤字が続いていたが、2017年度には黒字化を果たす見込み。「まだまだ中国市場の成長余地は大きい」(イオン現地法人幹部)とみて、17年度以降も年間4店舗程度のペースで拡大を続ける計画だ。

 ただ積極的な拡大にはリスクもある。中国では、鉄鋼やセメントと同様に、商業施設も供給過剰気味で競争は厳しくなる一方だ。アリババグループに代表されるようにインターネット通販も急速に伸びており、店舗閉鎖に追い込まれる百貨店やスーパーも増えている。

 これに対し、イオンは「ネット通販が人気なのは、実店舗の接客レベルが低いことも理由だ。日本型のサービスを提供し、競争に勝っていく」(同幹部)と自信を示す。飲食店や映画館などネットでは味わえない体験型施設も充実させ、消費者を引き付ける戦略だ。