IPOでイメージ向上へ 県内企業で4年ぶり・地方SC出店で急成長 ハピネス・アンド・ディ(香取市) 【企業戦線】

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イオンモール成田に出店している「ハピネス成田店」。さまざまなブランド品を取り扱っている=成田市ウイング土屋
イオンモール成田に出店している「ハピネス成田店」。さまざまなブランド品を取り扱っている=成田市ウイング土屋

 宝飾品などのセレクトショップを全国展開するハピネス・アンド・ディ(香取市、田泰夫社長)が22日、ジャスダックに上場する。県内企業としては4年3カ月ぶりのIPO(新規株式公開)となる。集客力のある地方のショッピングセンター(SC)に出店する戦略で急成長を遂げた同社は今期、売上高150億円を突破する見通しだ。「企業イメージと社員のやる気向上がIPOの狙い」と田社長は話す。

 30万株を公募。調達資金約6億円は出店費用などに活用し、年間3~4店だった出店ペースを5~10店に上げるとしている。

 県内企業のIPOは2008年3月に東証マザーズに上場したナノキャリア(柏市)以来。リーマン・ショック以降の景気や株価の低迷により、IPO数自体の低空飛行が続く中、県内では久々のケースとなる。

 宝飾品や時計、バッグ、小物などの輸入ブランド品を扱うセレクトショップを全国43店展開。主力店「ハピネス」は地方のイオンSCに出店し、記念日などの「カジュアルギフト」需要を取り込む。

 扱う商品は新品のみ。店内には百貨店で扱うようなシャネル、グッチ、カルティエなど幅広い有名ブランド品が並ぶ。「地方には主要ブランドが全てそろう百貨店がない。一方、従来のSCにもそのような店がなく、欠落を埋めた」と同社。近年はオリジナルジュエリー「ハッピーキャンドル」にも力を入れ、粗利率の高い宝飾品を伸ばす狙いを掲げる。

 価格は百貨店や直営店より1~3割安めに設定。ただ、シーズン遅れの商品を格安で売るディスカウントショップとは一線を引き、新作や流行の商品を扱っているのが特徴だ。「単なる安売りではなく、『ハピネス』(幸せ)を売る」をモットーに、「おもてなしの接客」にも力を入れる。

 年7回転近くという在庫回転率の高さも強みだ。コンピューターによる商品管理で一定期間が経過した商品はセールにかけ、滞留を防止。各店に設置したカメラを通じ商品の展示方法も本社で一括管理している。

 小見川町(現香取市)で時計の販売・修理を目的に1946年に創業した「デン時計店」が前身。「いろんな人がやって来る楽しい店を作りたい」との夢があった2代目の田社長が業態転換した。業績は90年の現会社の設立以来、ほぼ右肩上がりで推移。特にSCへの出店を始めた00年以降の成長ぶりが目覚ましく、12年8月期は売上高156億円の見通しと、ここ10年で約5倍に拡大。純利益は3億円を見込んでいる。

 田社長は「イオンの総合スーパー(GMS)向けに、小型店の出店に力を入れていく」と、今後の戦略を話している。