本格仏料理を大量生産 新食品工場が稼働 最新CAS冷凍を導入 シェ・ケン(千葉市) 【企業戦線】

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稼働した新セントラルキッチンで、色鮮やかなトマトゼリーを作る従業員。導入された最新のCAS凍結装置(奥)で冷凍され、発送される=千葉市若葉区愛生町
稼働した新セントラルキッチンで、色鮮やかなトマトゼリーを作る従業員。導入された最新のCAS凍結装置(奥)で冷凍され、発送される=千葉市若葉区愛生町
製造された仏料理のゼリー寄せ
製造された仏料理のゼリー寄せ

 フランス料理店運営、加工食品販売のシェ・ケン(千葉市若葉区)は、食品工場「セントラルキッチン」を同区内に新設し、稼働した。食材の細胞を壊さないアビー社(流山市)の特許技術「CAS」を使った最新の冷凍システムを導入し、面積は従来の3倍に拡大。外食事業者向けの業務用食品製造に加え、自社ブランドでの総菜販売事業を大幅に拡充する。

 同社は本格仏料理を提供するレストラン経営を軸に、一流ホテル・レストラン向けのコース料理や宴会料理、上級クラス用機内食などの委託製造と、百貨店総菜、ケータリング商品の製造販売を手掛けている。セントラルキッチンはこれらの事業用にテリーヌやパイ、ケーキなどを製造・発送する拠点で、現在同社の全売上の約8割を生産。東京都内の有名店で出される料理の中にも、ここで作られたメニューが数多くあるという。

 今回約3億円を投じて建設した新工場は、3階建てで延べ床面積824平方メートル。目玉は最新のCAS凍結装置だ。特殊な磁場で水分子を振動させて食品の表面から内部までを一気に凍結させる装置で、解凍後も極めて元の状態に近い味や食感を味わえる。同社は約17年前にCASを導入し、今回容量が大きく、性能が向上した最新型に刷新。複雑な仏料理のレシピを職人の手作りで再現し、最新型のCAS冷凍で味を封じ込めることで、高い品質と大量生産の両立を可能にした。

 新工場は、現在最も高いレベルの国際的な食品安全認証「ISO-22000」「ISO/TS22002」の来年の取得に向け、準備作業を進めている。取得すれば同業では国内初。徹底した衛生管理体制をアピールし、取引先の拡大につなげたい考えだ。

 同社は今後、総菜などを販売する中食事業を強化し、年商15億円を目指す。現在、そごう千葉店(千葉市)など百貨店4店で行っている総菜販売を拡大し、来春東京・渋谷にオープンする複合商業施設「渋谷ヒカリエ」にも出店。直営レストラン「シェ・ケン柏沼南店」(柏市)でも物販事業「マルシェ(市場)」を開始している。年々人気が高まっている洋風お節は、昨年の約10倍の販売個数を確保した。

 国内のレストランやリゾート施設は人件費削減のために料理の外部依存度を高める傾向にあり、同社にとっては追い風が続く。山口賢社長兼総料理長は「素晴らしい千葉の食材を生かした本格フランス料理を、新工場からもっともっと、全国へ発信していきたい」としている。