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全ろう者、運転免許に挑戦 法改正で県内初教習生|ちばとぴ ちばの耳より情報満載 千葉日報ウェブ

全ろう者、運転免許に挑戦  

法改正で県内初教習生

2009年11月16日10時23分

教官から聴覚障害者用の専門のサインで指示を受ける女性。運転には横幅の広いバックミラーを付ける必要もある=10月24日、船橋市の津田沼自動車教習所(本人による再現)

 全く耳の聞こえない全ろう者も普通自動車免許の取得が可能になった昨年6月施行の改正道交法。県内の教習所では第1号となる教習生が、船橋市の津田沼自動車教習所に通っている。改正前は、免許が取りたくても取れなかったため、教習所に通えて「うれしい」と笑顔。取得できたら車いすの祖母の送り迎えをしたいと夢を膨らませている。ただ、義務づけられている「聴覚障害者標識」(聴覚障害者マーク)を付ける“差別化”に不安も抱えている。

 県内初のチャレンジをしている教習生は銀行員として働く八千代市の女性(21)。今年7月から教習所に通い始めた。

 高校3年になった時、同級生が運転免許を取り始めたので「自分も」と思ったが、当時は改正道交法の施行前。補聴器を付けて一定の聴力がないと免許は取れず、女性は基準を満たさず教習を受けることはできなかった。「周りの人が取れていてうらやましいと思った」。それだけに、「うれしかった」と法改正に笑みを見せる。

 免許の取得は可能になったが、すべての教習所で教習が受けられるわけではなかった。県警免許課によると、全ろう者を受け入れるには、所内のコースに見通しの悪いカーブや交差点を作るなど専門の教習課程が必要となる。施行当初は、県内で受け入れ可能の教習所は1カ所もなく、現在でも指定自動車教習所59カ所のうち、27カ所に限られている。

 この女性の場合も、最初に通おうとした自宅近くの教習所は施設が整備されていなかったため、入所を断られた。自宅から離れた津田沼教習所へは、電車とバスを乗り継いで通っている。「近くに行きたかった。どこでも(免許が)取れるようにしてほしい」。同じハンディを抱える人のために充実を要望する。

 免許取得後の心配事もある。車体に「聴覚障害者マーク」の表示が義務化されている点だ。「四つ葉マーク(身体障害者標識)を付けていた人が、意地悪されたことがあった」。「(聴覚障害者マークを付けると)『聞こえない人が乗ってる』と思われて車を傷付けられるかも」という不安に顔を曇らせる。「規則だから仕方ないが、付けなくてもいいようにしてほしい」と思っている。

 仮免許の試験に合格し、順調に教習をこなす女性。「車で買い物に行きたい」「おばあさんが車いすなので、送り迎えをして、外に連れ出してあげたい」。近づく夢へ向けてチャレンジが続く。


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