2010年8月1日(日)
2008年08月01日11時16分
細胞の中でタンパク質を合成する場「リボゾーム」を作る際に鍵となるタンパク質が、新たに植物で見つかった。千葉大園芸学研究科の田中寛教授らのグループが三十一日付の欧州分子生物学機構機関誌電子版に発表した。このタンパク質は「B型転写因子」といい、細菌が持つことが分かっていた。今回の発見で、細菌が持っていたリボゾーム合成の方法が、植物に受け継がれてきたことが示された。太古に起きた生命の進化を解明する手がかりと期待される。
リボゾームは細胞の増殖などに不可欠。細胞の中に核を持たない細菌などの生物は、B型転写因子を使ってリボゾーム合成を行う。動物や植物、酵母やキノコといった菌類など、核を持つ「真核生物」は細菌から進化してきたと考えられているが、リボゾーム合成に働くB型転写因子は見つかっていなかった。
田中教授らは、ナズナやノリの仲間を調べ、植物がB型転写因子を持つことを発見。同因子がリボゾーム遺伝子の近くに結合し、リボゾーム合成を促すことを実証。植物は細菌から受け継いだ同因子を現在まで使い続けていることも分かった。
動植物や菌類は同一の真核生物から進化したと考えられており、初期の真核生物が細菌から受け継いだ同因子を、動物と菌類は進化の途中で失い、植物は保存したという、進化の一端が解明された。
田中教授は今回の研究成果を基に「真核生物の起源を明らかにし、生命進化の道筋に迫りたい」とした。
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