千葉ラーメンの達人たち

■プロフィール
山路 力也(やまじ・りきや)
フードジャーナリスト・千葉拉麺通信主宰。著書にラーメンマップ千葉6など多数。千葉市在住。


澄んだスープに泳ぐ自家製麺 麺家まんぼう(鴨川市打墨)

  • 0
  • LINEで送る

 古くから多くの漁港を抱えて漁業の拠点としても、温暖な気候で観光地としても人気がある鴨川。そんな地には、何十年も地元の人に愛され続けているラーメン店がいくつか存在する。「麺家まんぼう」は昨夏に移転したばかりの店だが、その歴史は25年前に創業した「達磨屋」にさかのぼり、鴨川でも屈指の老舗ラーメン店なのだ。

 優しい笑顔が印象的な店主の山口清美さんは、山形県米沢市の出身。米沢といえばすっきりとした透明な醤油(しょうゆ)スープに縮れ麺という「米沢ラーメン」で知られる町。米沢から離れたこの地でラーメン店を営もうと決めた時、やはり自分が大好きで子供のころから慣れ親しんだ味を出したいと、米沢ラーメンをベースにした一杯を提供することに決めた。スープは鶏ガラを使い、そこに煮干しやカツオ節の風味が加わったどこか懐かしい味わい。表面にはネギを使った香味油が浮かび、ふんわりと香ばしい。一晩寝かせて熟成させた自家製の中太麺はしっとりもちもちとした食感で、スープをきれいに拾い上げる。米沢ラーメンの良さを守りながら、随所に店主独自のアイデアが加えられた一杯は、懐かしさと新しさが共存している。

 ログハウスを思わせる温かみのある店内には、地元の常連客や観光客など、いつもお客さんがいっぱいで笑顔が絶えない。そして食後も、店主がいれたコーヒーを飲みながら思い思いの時間を過ごしている。店主の人柄がそのまま表れたような優しい味わいのラーメンと、温かみある雰囲気の店。四半世紀もの間、愛されているのもうなずける。

 【交通】JR外房線安房鴨川駅より車で10分。電話04(7092)4385。