千葉ラーメンの達人たち

■プロフィール
山路 力也(やまじ・りきや)
フードジャーナリスト・千葉拉麺通信主宰。著書にラーメンマップ千葉6など多数。千葉市在住。


九州の味が地元の味に 九州ラーメン友理(木更津市港南台)

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 君津は1965年に北九州から製鉄所が移転してきた「製鉄の町」である。従業員の引っ越しに合わせ、ふるさとの味を食べさせるべく、製鉄所の団地周辺には多くの飲食店も一緒に九州からやって来た。70年、君津畑沢団地にオープンした「九州ラーメン友理」もその一つ。古き良き時代の九州豚骨ラーメンの味を忠実に守っている老舗だ。

 店主の立野征夫さんは、長崎の老舗ラーメン店「お富さん」で修業を積んで自らの店を開業したが、製鉄所移転の時に誘いを受けて君津へとやって来た。開業当初は九州で使っていたような豚骨が手に入らなかったり、低加水の極細麺を作ってくれる製麺所もなかったりと苦労も多かったが、作り上げた一杯は製鉄所で働く九州人も満足する豚骨ラーメンになった。豚の大腿骨(だいたいこつ)に背ガラ、鶏ガラなどを強火で炊き上げるスープは、創業以来40年かけて継ぎ足しながら作られており、日に日にうま味が増していく。丁寧な下処理によって、スープはくさみが一切なく、まろやかな味わい。醤油(しょうゆ)ダレには博多から直送される醤油を使い、麺は地元の製麺所に特注した細麺を固めにゆで上げる。もう一つの看板メニュー「長崎ちゃんぽん」も、たっぷりの野菜のうま味がスープに溶け込んだ深みのある味わいだ。

 2000年に現在の木更津市に移転したが、人気は変わることなく週末に行列ができるほど。製鉄所で働く人たちのソウルフードだった友理の豚骨ラーメンは半世紀経った今、君津木更津の人たちが愛する「地元の味」になっている。

 【交通】館山自動車道「木更津南IC」より車で2分。電話0438(37)3875。