千葉ラーメンの達人たち

■プロフィール
山路 力也(やまじ・りきや)
フードジャーナリスト・千葉拉麺通信主宰。著書にラーメンマップ千葉6など多数。千葉市在住。


日々深まる煮干しの旨味 魚介醤油らーめん和屋(佐倉市上座)

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 日本人が古くから親しんできた「煮干し」。最近は少なくなってしまったが、昔はどの家庭でも味噌汁の出汁を取るために鰹節を削り、煮干しを入れていたものだ。元来煮干しは旨味の脇役なのだが、この世界では主役として登場する。そんな煮干しの旨味を十二分に感じられる一品を提供しているのが2010年に開業した「和屋(かずや)」だ。

 ご主人の大久保和仁さんは千葉市の人気店「海空土(かいくうど)」で長年厨房を任されてきた。修業先と同じく、化学調味料や添加物を使わずに天然素材だけを用いたラーメン作りをしている。醤油のスープにちぢれ麺、なるとが乗ったラーメンは「昔ながらの中華そば」というスタイルながらも、一つ一つの素材を徹底的に吟味して丁寧に調理された今の時代ならではの一杯。透明感があってすっきりとした醤油スープは、千葉県産を中心とした数種類の煮干しと、鰹節などの魚介系素材の旨味が豊かに広がっていく。前日のスープに新たな素材を日々継ぎ足すことで、旨味がどんどん増して、まろやかで深い味わいになっていくのだ。オープン時はまだ若かったスープが、4年目に入って円熟味を増してきた。まるで人が成長するかのように、スープも日々成長していくのだ。

 住宅地が多い場所柄、店内には小さい子供を連れたお母さんの姿もよく見かける。スープはもちろん、麺や具材の調味にいたるまで余計な添加物などが入らないラーメンは、老若男女が満足出来る一杯だ。

 【交通】京成ユーカリが丘駅より徒歩7分。電話090(7946)5056