千葉ラーメンの達人たち

■プロフィール
山路 力也(やまじ・りきや)
フードジャーナリスト・千葉拉麺通信主宰。著書にラーメンマップ千葉6など多数。千葉市在住。


外房屈指の白濁豚骨ラーメン 麺屋MASTER PIECE(いすみ市小沢)

  • 6
  • LINEで送る

 千葉県は元来醤油ラーメンが主流の地域で、豚骨ラーメンを提供する店は長いあいだ皆無に等しかった。今から20年程前のラーメンブームあたりから、ようやく都市部で背脂ラーメンや白濁した豚骨ラーメンを出す店が現れた。だが、上総地区、特に外房エリアではその後もなかなか本格的な豚骨ラーメン専門店は出て来なかった。そんな豚骨不毛の地に2009年、彗星の如く現れたのが「MASTER PIECE」である。

 店主の間誠治さんは埼玉の人気豚骨ラーメン店で経験を積んだのちに、学生時代を過ごした勝浦の地で開業。その後、勝浦の店は閉めて現在はいすみ市と長生郡に店舗を構え、オリジナルの豚骨ラーメンを提供して人気を呼んでいる。ベースとなるスープは大量の豚頭と大腿骨、背骨に丸鶏を強火で12時間以上炊き上げたクリーミーな白濁豚骨スープ。そこにニンニクの焦がし油である「マー油」を浮かべた一杯は、白と黒のコントラストが美しい。食べ進めるごとに豚骨スープのまろやかなコクとマー油の香ばしさが一体感を高めていく。新潟の製麺所に特注したストレート麺は、ボソッとした食感でスープと絶妙に絡みあう。そして、どことなく熊本ラーメンを思わせる味わいのラーメンにアクセントとして乗せられるのが岩海苔。豚骨に香る磯の風味。九州系豚骨ラーメンと房総の海の恵みが見事にコラボレーションし、房総ならではの豚骨ラーメンに仕上がっている。

 経験豊富な店主が作るラーメンはそれにとどまらず、外房のソウルフードでもある勝浦タンタンメンをモチーフにした豚骨ラーメンや、ワサビを大胆に取り入れた一杯など、遊び心あふれるラーメンも数多い。昔ながらのラーメンが多い外房エリアで新たなラーメンの可能性に挑み続ける店主。今後どのようなラーメンを生み出していくのか目が離せない。

 【交通】JR線浪花駅より徒歩7分。電話070(5584)5033