千葉ラーメンの達人たち

■プロフィール
山路 力也(やまじ・りきや)
フードジャーナリスト・千葉拉麺通信主宰。著書にラーメンマップ千葉6など多数。千葉市在住。


インパクトある濃厚豚骨魚介つけ麺 市川ウズマサ(市川市新田)

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 別盛りにされた麺を熱々のつけダレにくぐらせて食べる「つけ麺」。東池袋大勝軒の店主、山岸一雄氏が生み出したとされるメニューだが、一時期のブームを超えて今や全国のラーメン店に置かれる定番メニューにさえなっている。千葉県にも本格的なつけ麺を提供する店が年々増えてきているが、中でも今注目を集めている店が「市川ウズマサ」である。

 店主の海老原太志さんは、都内の人気店で修業を積んだ後に、自分が生まれ育った市川で店を開きたいと開業を決意。地元で長年愛されていた老舗中華料理店が店を畳むことを知り、その店舗と想いを受け継ぐような形で2011年に開業した。大量の煮干しをふんだんに使用した中華そばも人気が高いが、看板メニューになっているのがつけ麺。ここ数年人気が高い「濃厚豚骨魚介」タイプのつけ麺ながらも、魚介系素材にはカツオ節などの魚節は使わずに、厳選した数種類の煮干しのみを使用している。半日以上炊き上げた粘度の高くまろやかな甘みのある豚骨スープは濃度も粘度も県内トップクラス。そこにキリッと立ち上がる煮干しの風味が加わっている。艶やかな表情の太ストレート麺は、もっちりとした食感で濃厚なつけダレと絶妙に絡み、食べれば鼻腔に小麦の香りがふんわりと広がっていく。一度食べれば舌の記憶に鮮烈に残る存在感があるつけ麺だ。

 流行り廃りに流されることなく、十年後二十年後と長く地元で愛される店でありたいともの静かに語る店主。だからこそ店名に市川と地名を掲げた。人気におごることなく、毎日厨房に立ち真剣に寸胴と向き合うその姿勢からも、盛りつける際にていねいに揃えられた麺からも、その熱い思いがうかがえる。

 【交通】JR線市川駅より徒歩6分。電話047(370)2050