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吉本興業、直営業の芸人に救済案 アドバイザリー委員会が提言「芸人を排除しない」

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第2回「経営アドバイザリー委員会」より

 吉本興業は19日、一連の反社会的勢力との闇営業問題などをめぐって設置した「経営アドバイザリー委員会」の第2回を午後1時から東京・新宿の同社東京本部で開催。終了後に、座長を務める国際医療福祉大学の川上和久教授が会見を行い、芸人・タレントが事務所を通さずに行う「直営業」で、トラブルがあった際の対処法を提言した。

【写真】パネルを用いて説明を行った川上和久教授

 会見では「属性調査 業務フロー」と題した資料を配布。同資料によると、現在吉本興業では属性調査は最大で6段階にわたって行われ、まず業務担当者が新規取引業者とやり取りを行う際に、総務・専門スタッフに属性調査を依頼。その後、外部委託業者へと1次調査を依頼し、Google検索で関連対象23ワード、G-Searchデータベースサービスで93ワードを調査する。

 調査の結果を総務・専門スタッフが確認し、懸念事項がなければ取引を開始。懸念事項があれば、日経テレコン、帝国データバンク、日商リサーチに2次調査を照会。暴力追放運動推進センター、特殊暴力防止対策連合会などとも連携を取りながら、2次調査を行った結果が問題なければ取引を行い、問題があれば取引を行わないという形となっている。

 委員会の大きな4つのテーマのうちのひとつに「コンプライアンス体制の検討とあり方について」を挙げ「一部の所属タレントにおいて意図せざる反社会的勢力との接触が認められたが、今後、二度とこのような事態を引き起こさないように、どのようなコンプライアンス体制をとるべきか、また、全社的にコンプライアンス上の課題がないか検証し、あるべき方策を提言」としている。

 雨上がり決死隊の宮迫博之とロンドンブーツ1号2号の田村亮が、先月20日に会見を行った際、問題となった2014年に振り込め詐欺グループの宴席に参加した経緯について、仲介したカラテカの入江慎也から「僕がやる吉本の会社を通したイベントについてくれているスポンサーなので、そこは安心です」と聞いたため、宴席に参加したと説明。そのような状況で相手が反社会的勢力だと見抜くのは「難しい部分がある」と話していた。

 これを受けて、2日後の22日に吉本興業の岡本昭彦社長が会見を行い、反社スポンサー問題について「事実ではありません」と明言。「吉本はイベント会社の依頼を受けてタレントを派遣し、そのイベントのスポンサーのひとつが今回問題となっている特殊詐欺集団のフロント企業だったということ」と釈明した。

 今回の委員会では、この点が議題に上がり「吉本興業が新規取引業者とやり取りをする」「事務所に届け出をした上で直営業を行う」以外の「事務所に黙って直営業を行った」場合、吉本興業がどこまで責任を負う必要があるのかについて話し合いを行った。

 川上座長は「事務所に黙って直営業を行って、反社と関わっていた場合、アメリカの例では自己責任という議論が出てくる。ただし、契約でギシギシ縛って、ドライに契約解除ですよっていうのもどうなのか。(反社との関わりが)望ましくないのは当然ですが、吉本には(相談できる)ホットラインというシステムがある。ドライな冷たい契約ではなくて芸人さんを排除しないのが望ましいのではないか」と語った。

 ある種、直営業を行った芸人を救済する案となるが、川上氏はホットラインの拡充について「これまでも、ホットラインに『お金の貸し借りでどうしよう』とか、困った時にかかってくることがあったそうです。24時間いつでもかけられるようになっていますが、自分が直営業をして、ちょっとまずかったんじゃないかなと思った時にホットラインは使いにくいですよね。なので、コンプライアンス研修を行って『事後でもいいから、ホットラインとかを活用して言ってください』と伝えていくしかない」との考えを明かした。

 同社は先月25日、同委員会の設置決定を発表。川上氏を座長に据え、運営方針に「いわゆる第三者委員会のように不祥事を調査してその責任の所在や社内処分のあり方について提言する、というものではありません。経営にかかる懸案事項について専門的知見から助言・アドバイスを提示いただき、これらを元に社内改革を進めていくものです」を挙げた。

 今月8日には第1回が行われ、共同確認書をすべての芸人・タレントを交わし、従来のマネジメント契約に加えて、専属エージェント契約という形態を導入すると発表された。

■「経営アドバイザリー委員会」メンバー
川上和久(座長) 国際医療福祉大学 教授
大仲土和 弁護士、関西大学大学院法務研究科教授(元最高検察庁総務部長)
久保 博 株式会社読売巨人軍 顧問(前同社会長・元社長)
島根 悟 一般財団法人 日本サイバー犯罪対策センター 理事(元警視庁副総監)
町田 徹 経済ジャーナリスト(ゆうちょ銀行社外取締役、ノンフィクション作家)
三浦 瑠麗 国際政治学者(山猫総合研究所代表)
山田 秀雄 弁護士(元日本弁護士連合会副会長、元第二東京弁護士会会長)
※五十音順