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おかずクラブ・オカリナ、体を張った“ノーリアクション芸”で独自の立ち位置

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薄~いリアクションで独自の立ち位置、おかずクラブ・オカリナ (C)ORICON NewS inc.

 ダチョウ倶楽部・上島竜兵、出川哲朗の“2大巨頭”に加え、次世代リアクション芸人ともいえるロッチ・中岡創一、バイきんぐ・小峠英二、鈴木奈々など、体を張った「リアクション芸」が“テッパン”となっている昨今のバラエティ業界。彼(彼女)らは、もはや職人芸といえるほどのハイテンションなリアクションを見せているが、そんな中、主流とは真逆を行く独自のスタイルを打ち出しているのがおかずクラブのオカリナだ。どんな過酷なロケでも常にローテンションだが、決して場を壊すことのない“ノーリアクション芸”で独自の立ち位置を形成しつつある

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■現代のバラエティにあるまじき、薄~いリアクションでシュールな空気を醸し出す

 おかずクラブがブレイクして早や数年、今ではコンスタントにTVにも出演し続け、“一定のポジション”を獲得したといってもいいだろう。人気番組『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)にも出演しているが、同番組は先の出川を筆頭にロッチ・中岡や多数の女芸人がこぞってリアクションを披露する“リアクション芸の見本市”のような状態。手越祐也ですら過酷なチャレンジをしては、ド派手なリアクションを取っている中、オカリナは絶叫マシーンでも表情も変えず、バンジージャンプでは物怖じせずに飛んで見せ、躊躇しながらも無表情でゲテモノを食べる。いずれも大したリアクションは取らないというパターンが、毎回お約束のようになっているのである(後によしもと公式YouTubeでは「バンジージャンプでは気を失っていた」と発言)。

 また、『かりそめ天国』(テレビ朝日系)の不定期コーナー『オカリナホラーショー』でも、薄~いリアクションでシュールな空気を醸し出している。ヴィレッジバンガードやPLAZAなどの店舗に出向き、とにかく商品を試しまくるというロケだが、特に感想も述べず、ひたすら無言で商品をむさぼり続ける…にも関わらず、何となく画が持ってしまうという謎のビジュアル的な魅力も。「感想言えよ!」とワイプのマツコ・デラックスと有吉弘行に突っ込まれながらも、薄〜いまま淡々とVTRが続くと、逆にふたりは大絶賛。SNSでも、「オカリナのヴィレバン荒らし、めっちゃおもしろかった」、「恐怖映像だけどつい見ちゃう」等々、反響があったのだ。


■時代の変化とともに変わる“リアクション”の存在意義

 リアクション芸が市民権を得て、今は全盛期。各バラエティ番組でも重宝されているが、かつてはリアクション芸=ただうるさいだけと、煙たがれていた時代があったのも事実。とんねるずやダウンタウンなどスタイリッシュな笑いがブレイクしていた1990年代には、今では人気者の出川でさえ「ブサイク」、「キモい」、「うるさい」、「ウザイ」などといわれ、TVにおける“嫌われ者”の代表だった。女性誌『an・an』(マガジンハウス)の「抱かれたくない男ランキング」にも“絶対王者”として君臨していたことは有名だ。そんな出川もくじけることなくリアクション芸をコツコツと積み上げてきた結果、いつしか認められるようになり、「出川が出てれば面白い」とまでいわれる安定感を獲得、ついには老若男女に愛される「出川さん」となった。

 ひな壇形式のバラエティ番組が増えた昨今は、いいリアクションが取れればタレントとして重宝されるが、逆に取れないと埋没してしまうようにもなった。結果、ひな壇にしろロケにしろ、タレントたちは競って画面映えする大きなリアクションを取るようになったのだが、その背後には埋もれてしまうことへの恐怖感、“間”を恐れる心理が働いている気もする。

 そんな時代の中で、オカリナのノーリアクションのスタイルは貴重な“例外”であり、リアクション全盛の今だからこそ、そのギャップと反動から余計「面白く」「新鮮に」映るのかもしれない。


■ただ“リアクションしない”だけではない 体を張った“芸人らしさ”は健在

 とは言え勘違いしてはいけないのが、“ただの無”ではないという点だ。オカリナは、前述のようにバンジージャンプやゲテモノ料理など、過酷なロケにいくつも挑み、しっかり体を張った上での“ノーリアクション”をこなしている。逆に言うと、カメラを前に薄いリアクションで成立させてしまうタレントは希少な存在だ。

 また、『しゃべくり007』(日本テレビ系)で、くりぃむしちゅー・上田晋也と4連続で“ビジネスキス”をして見せるなど、オカリナは女芸人の中でもかなり多くキスを経験していることでも有名。多くの芸人やアナウンサー、あの中居正広の“初めてのビジネスキスの相手”にまでなっているのだ。

 決して“美女”とは言えないが、黙っているだけでもゆるキャラ的な可愛さがあり、押しつけがましさもないので老若男女から好感を持たれる。有吉弘行にも「いいブス」と名づけられたように、どこかオカリナには女性らしい一面があることも“愛されポイント”なのだろう。実際、先日放送された『イッテQ』でも、後輩女芸人であるガンバレルーヤのふたりが巨大ジンベイザメと共演し、ふと「あのジンベイザメ、オカリナさんに似ている」とつぶやいていたが、そんな動物っぽい可愛さ、ほんわか感がオカリナの魅力のひとつなのだろう。

 大きな声&ハイテンションで先輩芸人にも容赦なく噛みつくゆいPと、ローテンションの癒し系のオカリナとのコンビがおかずクラブだが、その両者の個性を十分に際立たせるオカリナの“あえてのノーリアクション芸”の確立は、リアクション芸全盛期の中でも稀有なこと。今はアイドルでも俳優でも体を張ってリアクションし、新たな人気者が生み出されていく群雄割拠の芸能界だが、そうした流れに逆行するかのようなオカリナの“無の境地”は、新たなリアクション芸の指標となるかもしれない。