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峯田和伸、声優仕事で再発見した伝える難しさ「音楽活動にいい還元になる」

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『ぼくの名前はズッキーニ』で声で伝える難しさを再発見した峯田和伸 (C)ORICON NewS inc.

 ロックバンド・銀杏BOYZの峯田和伸が主人公・ズッキーニの声優を務めるストップモーションアニメ『ぼくの名前はズッキーニ』が10日に公開される。今回が声優初挑戦となるが、そこで発見したのが音楽にも共通する伝えることの難しさだった。

【写真】舞台あいさつで峯田和伸がデレデレ かわいい笑顔の麻生久美子

■初体験だらけの声優に「1回目はホントにダメ…」

 峯田はこれまで俳優として映画やドラマに出演。昨年はNHKの朝ドラ『ひよっこ』、来年にはNHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』にも参加する。そんな峯田にとって初めての声優挑戦となったのが今回の『ぼくの名前はズッキーニ』だ。公開を控え、収録を振り返ってもらうと「実写の映画だったり、ドラマだったら、さほど多くはないですけど経験がある。最初は声優もできるかなと思っていたら、リハーサルでぜんぜんダメだった(笑)。声だけで伝えるのは、すごい難しいなと思った」と苦笑。それでもリハーサルを通じて感じたことを修正して収録に臨んだ。

 だが、「撮りの日も『よっしゃーできた。最高だ』とは全然、思えなかった。これでいいのかと頭で考えながら終わってしまった」とモヤモヤは残ったままだったという。この感覚は初めてのレコーディングでも味わった。「1回目はホントにダメ。最初のバンドのレコーディングのときもうまくいかなくて音楽なんて辞めようって思った。なるべく、あんまり思い出したくない…」と若き日を苦笑いで振り返った。

 本作では9歳の子どもを演じているが、心掛けたのは本心から声を出すこと。「子どもらしい声色は作れない。でも、自分の中に子どもっぽい部分はいっぱい残っている。なるべく、そういうところから声を出すような意識でやった」。子どもらしくない峯田の声だからこそ響くものは大きいものとなった。

■声で伝える難しさを再認識「音楽活動にいい還元になる」

 声での演技で感じたことは多い。「声は実写と違って体だったり、表情だったりでごまかせるものではない。目に見えない声でしかない。ちゃんと感情を思ってないと嘘くさくなるって、やりながらわかった。本当にカミーユのことを好きという感情で挑みました。カミーユを思うズッキーニの気持ちに近づけないと声が出てこないと思った。声優としてのテクニックがない分、本当に思わないとダメだと思って心がけましたね」。

 それは音楽活動でも同じだという。「バンドも、そういうところから始まっている。うまく歌おうではなくて、この歌詞を伝えなきゃいけない、音程を外してもいい、声もかすれてもいい。気持ちが見えるような歌い方、声の出し方をしたいなって思った」と音楽を始めた当時と重なった。「僕は作詞も作曲もやってボーカルなので音楽だけやってたら、どこかでカチコチになる。カチコチになるのも、すごく大事なことなんですけど。やったことがないことに挑戦するというのは音楽活動にいい還元になる。それは実感がありますね」と話した。

 音楽から離れた場所で発見したこともある。「ほかの現場の人を見ると自分は足りてないところがいっぱいあるなと思っちゃう。例えば空き時間に、みんなケータイをイジる中、ある人は歩きながらせりふを読んで役に入っていった。すごくかっこいいなと思ったんです。だから自分はレコーディングをするときとかは、なるべくケータイを見ないようにしてます。集中して疲れますけど、僕の姿を見て、ほかのメンバーやスタッフが何か思ってくれたらいい。『普段、だらけてる峯田がここでは頑張ってる』とかね。小さいことですけど、やってますね」。

■好きな人とモノ作り「僕の1番の幸せですね」

 俳優や声優の楽しさを聞くと「好きな人に会えること」ときっぱり。今回は何度も共演する女優・麻生久美子がズッキーニが一目惚れする女の子・カミーユを演じている。「こういう仕事じゃないと一緒に会わない。普段、家にいるときに会いたいなと思っても連絡するの恥ずかしいなと思って会えない。そういう人と会えるのが、こういう仕事。しかも、会えるだけじゃなくて一緒にモノを作れる。そういうのって、すっごくいいですよね。普段、会うのもいいのかもしれない。でも、モノを作る現場で友達と会えるっていうのが僕の1番の幸せですね」と笑顔を見せた。

 『ぼくの名前はズッキーニ』は母親に先立たれて施設・フォンテーヌ園に入った主人公・ズッキーニが、心にさまざまな傷を負った仲間たちと出会い、信頼関係を築いていく様子を描く。峯田は「試写会で見て、あらためて思ったんですけど声だけなので、どの役の人も大人。でも、子どもになりきって無邪気さとか純粋な部分だけで包まれている映画。子ども達が作ったら、また別の話になると思う。でも、子どもっていう時間を通過して大人になった人間がまだ残っているかもしれない自分の子どもっぽいところを無理やり抽出して色だったり、声だったり、音だったり、現実とまた違う世界を作っている。大人なんですけど、子どもにあふれている映画。見ていていいなぁって思いました」。

 声の重要性を再認識した峯田の魅力が詰まったアニメーションとなった。

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