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社説

改革は本物か 相撲協会の行方


 野球賭博問題で、一時は存続の危機に立たされた角界が生まれ変わろうとしている。これまでは、力士出身の「まわし組」が占めていた日本相撲協会の理事職の中に副理事長職を新設し、外部の人材を登用するなど、思い切った改革に取りかかっている。

 野球賭博問題だけではなく、力士暴行死事件、大麻事件、暴力団関係者への維持員席と呼ばれる特別席を優遇した問題などここ数年、次々と不祥事を起こしてきた相撲界。

 しかしその都度、一部の関係者の処分のみで、世論の大きな反発を受けながらも、相撲界全体でこうした不祥事の裏にある、悪しき習慣を根底から変えようという動きは起こらなかった。

 一般常識をはるかに超える巨額の金が反社会的勢力へ流れていた野球賭博問題が判明したことで事態は一変、現役の大関、親方が廃業に追い込まれるなど、過去にない規模と厳しい内容の処分が下された。

 開催が危ぶまれた7月の名古屋場所は何とか行われたが、NHKが生中継を取り止め、天皇賜杯の授与が行われないなど、異例づくしだった。

 場所後も、一部の相撲部屋が地方場所の際に借りていた宿舎が暴力団関係者のものだったことが発覚。また、ある親方が賭博行為にかかわっていたと週刊誌が報じるなど、激震の余波は続いている。

 当初は続投を表明していた武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)も、健康面の問題を前面に出してはいるものの辞任。放駒理事(元大関魁傑)が新理事長に就任。新体制では理事の補佐役として副理事長を新設。名古屋場所で理事長代行を務めた元東京高検検事長の村山弘義氏を選出し、要職の審判部長に貴乃花理事(元横綱)を抜てき。さらに“閉鎖的”とされている協会のイメージアップを図ろうと広報部長補佐を公募するなど、新しい姿を示そうと躍起になっている。

 講談「天保水滸伝」の昔から、興行を通じてしがらみのあった反社会的勢力と決別できるのか、いわゆる「ごっつぁん体質」からの脱却を放駒新体制がどこまで推し進めることができるのか-に、国技を名乗る相撲の未来が懸かっている。九月場所は12日に初日を迎える。

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