前市長による汚職事件を受けて千葉市が設置した「市入札制度検証委員会」(委員長・押谷靱雄弁護士)が、報告書を熊谷俊人市長に提出した。職員のコンプライアンス(法令順守)を高める意識付けの徹底と制度の厳格運用、入札参加資格審査会の見直し、談合情報に対する県警との連携強化などを柱にした内容だ。
市は「提言を真しに受け止め、他市のモデルとなる制度の確立に努めたい」としているが、年月がたてば、どんな制度も疲弊し、欠陥が生じる。不正を防ぐためには、制度、体制を定期的に見直し、改善していく不断の努力が必要だろう。
検証委員会は、市発注の公共工事をめぐる汚職事件で鶴岡啓一前市長が逮捕、起訴されたのを受け、昨年10月に設置。今月まで11回の会議を重ねた。
報告書では、同市のこれまでの制度改革について一定の評価を示しつつ、「業者間の不正防止を目的にしたもので、発注する行政と業者が結託した場合、抜け道は少なくない」とし、「発注者(市)側のコンプライアンスこそが求められる」と強調。早急な対応を求める「指摘」3項目と、十分に検討して実行することを求める「意見」7項目を盛り込んだ。
特に、市幹部職員14人で構成し、入札参加資格設定の適正さを審査する「入札参加資格等審査会」の見直しには厳しく言及。情報漏えい防止のためのメンバー削減、標準モデル設定によるチェックの効率化と強化、議事録の適切な作成と保管などを挙げている。
また、談合情報への対応では、市の内部組織「公正入札調査委員会」の調査には限界があるとし、県警との連携を密にして、より厳格な調査の必要性を指摘。議会からの情報提供、問題提起も審査するなど、適切な対応で市民への説明責任を果たすよう求めている。
報告書は結びで、どれほど立派な制度、体制を整えても不正行為を百%防ぐのは不可能-とした上で、「不正の発生をできる限り抑止するための、できる限りの努力がなされているか否か」が重要としている。網をくぐり抜けようとする輩(やから)は後を絶たないし、時がたてば規律の緩みも生じるだろう。定期的に検証し、不正防止のための継続的な取り組みを望みたい。