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社説

山菜採りにも注意して 千葉の山でも遭難事故


 夏山シーズン到来。しかし、油断禁物-。警察庁のまとめによると、全国の山で起きた昨年の遭難事故の発生件数は1676件(前年比45件増)、死者・行方不明者は317人(同36人増)。ともに統計を始めた1961年以降最悪だった。死者・行方不明者の約9割は40歳以上。登山ブームの中で中高年者の事故が多いことがあらためて浮き彫りとなった。自分の体力を過信しないことが肝心だ。形態別に見ると66%が「登山中」だったのに対し「山菜・きのこ採り」も23%あった。

 千葉県でも6件8人の遭難事故が起きた。幸いなことに死者や行方不明者こそいないが、それでも2人が負傷しており、県警本部は「低いと言っても千葉の山は奥が深い。余裕のある計画で地元の地形を熟知した人をリーダーに山歩きを楽しんでほしい」と呼び掛けている。「千葉のような低山は樹林やヤブが多く、見通しが利かず自分の位置が分かりにくい。その上崖(がけ)は急だ。さらに民有地が多く標識も未整備。地図、コンパスを用意して道迷いには十分注意して」(日本山岳会千葉支部)と安易な入山に警鐘を鳴らす。

 県内では、道迷い、滑落、転倒が圧倒的に多い中で、2%に満たないながら「野生動物による襲撃」もあった。かつて君津市や鴨川市の山でニホンザルやニホンジカに遭遇した経験がある。「かわいい動物が突然襲い掛かってきた」という話を何度も聞いたことがある。それが自然界なのだ。

 全国的には北アルプスや中央アルプスがある長野県が173件と最も多く、次いで2009年7月に大雪山系トムラウシ山で大量遭難事故のあった北海道が162件、3番目は剣岳のある富山県の122件だった。

 ところで、旅行会社が計画する「ツアー登山」はますます人気が高いという。山の世界も変わった。お金さえ払えば海外の山さえ連れて行ってもらえる時代。気軽なツアー登山に反対するつもりはない。肝心なことは「自分の力で登る」という参加者個人の気構えだということを肝に銘じてほしい。

 「計画に無理はないか」「撤退の覚悟はできているか」。同じ2千メートル級の山でも関東と北海道では緯度の違いで環境ががらり異なる。それらを十分知った上で登山を楽しんでほしい。

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