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社説

政治の安定に全力尽くせ 参院選で民主後退


 歴史的な政権交代から1年。11日行われた第22回参院選で民主党を中心とする連立政権に国民の厳しい審判が下った。改選54議席以上を目指した民主党は44議席にとどまった。新たな連立パートナー探しも始まっているが、参院における与党系議席は過半数に12議席も足りず“ねじれ国会”となる可能性が高い。課題山積の状況を踏まえ、政権党として政治の安定に全力を尽くしてもらいたい。

 民主党内からは党代表の菅直人首相をはじめ、党執行部の責任を問う声も出ているが、党内抗争の場合ではない。首相が1年あまりでころころ代わっては、日本が海外からの信用も失いかねない。民主党の国会議員は、国民から党の政権担当能力が問われていることを自覚すべきだ。

 「国民に負担増を切り出す前に、もっとやるべきことがあるだろう」。11日に示された民意は、菅首相が参院選公示直前に生煮えのまま打ち出した消費税増税論に対する不信感にほかならない。昨年の衆院選マニフェスト(政権公約)に掲げた国会議員の定数削減や国家公務員の総人件費2割削減など、行財政改革が手つかず状態のままで消費税アップを掲げれば、不信を買うのも当然だ。

 みんなの党が改選ゼロから10議席を獲得したのは、民主党への不信・不満票の受け皿と推測される。千葉選挙区(改選数3)の共同通信社の出口調査結果でも、無党派層の支持を最も集めたのは当選した水野賢一氏。「集中改革期間の今後3年間は増税しない」「国会議員、公務員の人数・給与を大幅削減」などの公約は分かりやすかった。

 自民党は改選38議席を51へと大幅に伸ばし、改選第1党となった。だが、この結果をもって「自民党が政権復帰への足場を固め、国民は民主党政権にノーを突きつけた」とまでは言い難い。“政党の通信簿”ともいわれる比例票では、民主党がトップを維持しているからだ。「現在の民主党を信任して過半数を与えることもできないが、自民党に戻るのも早すぎる」。そんな民意も読み取れる。

 参院は21年前から、与党第1党の過半数割れが続いている。昨年の政権交代までの3年間は、野党だった民主党を中心にして、自公政権を立ち往生させる場面も多々あった。立場変わって、今度は民主党が苦境に立つ。守勢に不慣れな政権党の真価が試される。

 国の借金は900兆円にも上り、少子高齢社会の中で増え続ける社会保障費。景気の回復感も地方や庶民にはまだない。民主党に過半数を与えなかったとはいえ、国民は国会の混乱や選挙目当ての足の引っ張り合いなどは望んでいない。

 与野党は消費税増税をどうするかをはじめ、課題山積の国の将来を見据えて「良識の府」にふさわしい論戦を展開しなければ、政治不信が募るばかりだ。

 今回の選挙を象徴するかのように千葉選挙区からは民主、自民、みんな3党の新人が当選した。激戦の中で聞いた声を忘れることなく県民の負託にこたえ、今後6年間の活躍を期待したい。

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