海水浴場の開設が7月1日から県内でも順次始まるが、心配なのは水の事故。昨年も漁船遭難を除く水難事故が全国で1540件発生、前年より105件増えた。特に本県は95件(総数107人、42人死亡、34人負傷)と全国最多(警察庁まとめ)で、関係者には事故防止へ万全の態勢を望みたい。
そんな水難事故防止へ、日本財団やB&G財団、海洋スポーツ団体など日本の海洋活動にかかわる7団体が発起人となって「ウォーターセーフティーニッポン(水の事故ゼロ運動推進協議会)」が設立された。
同協議会の資料によると、全国の水難事故発生状況は過去10年微減か横ばい。水死者数は減少傾向で、うち子どもの数も10年前の半分にまで減っている。しかし、人口10万人当たりの水死者数の国際比較では、日本はイギリスの約12倍、オランダの約9倍など突出。1~14歳までの子どもでみても、不慮の事故の中で水死がトップの交通事故死に次いで多い。自然水域での水遊び・水泳中の事故が目立っている。
この結果、海や川で発生する水の事故が子どもの成長に重要な役割を持つ「自然体験」の機会を遠ざけている要因の一つになっていると協議会では指摘。子どもたちの自然体験活動を進めながら事故のリスク・対処法などを教え、「自分の命は自分で守る」自助意識を身に付けさせる水の安全教育により「水の事故ゼロ」を目指すーと、協議会設立の趣旨を強調する。
臨海学校など小学校高学年を中心に年間2万8千人(宿泊・日帰り)を受け入れている南房総市の大房岬少年自然の家の神保清司所長は、「子どもだけで川や海に行ってはいけないと学校や家庭で言われる。かといって指導するべき先生や保護者も自然に親しむ機会が少なかった人が多く、自然に子どもを連れ出すことに不安を感じている」として、専門家と連携した自然体験活動の重要性に賛同する。
同協議会では、官民一体で水死者数の半減に成功した「ウォーターセーフティーニュージーランド」と連携。ノウハウを活用しながら行政や企業・ボランティアなどと協力、平成30年度には事故件数・水死者数の半減を目指すという。水に恵まれた千葉県民として、活動の広がりと成果に期待したい。