社説

相談窓口への誘導を図れ 改正貸金業法が完全施行


 大きな社会問題となっている多重債務を防止し、ヤミ金融利用による被害から消費者を守ることを目的にした改正貸金業法が18日に完全施行となった。財務省関東財務局千葉財務事務所をはじめ弁護士会など関係機関・団体は施行後も消費者(資金需要者)に対して周知徹底に全力を挙げている。しかし、いまだ出口の見えない厳しい経済情勢下、同法施行後も消費者の資金需要は絶えず、貸金業者に断られるケースが増加することも懸念される。相談窓口への誘導こそが“悲劇”の未然防止につながる手始めであることを強調しておきたい。

 同法施行に先立ち同千葉財務事務所は、千葉市内で、県や県警、県弁護士会、千葉司法書士会、県消費者センター、日本貸金業協会県支部など委員と県銀行協会などのオブザーバーが参加して第1回「県改正貸金業法周知等対策会議」を開いた。

 構成団体の各委員は、消費者団体への説明会開催など同法を周知徹底するための広報活動や取り締まり推進室・相談窓口・相談電話の設置など被害防止体制の現状報告を行った。また、消費者金融市場の現状や問題点について情報交換を行うとともに、連携強化や情報の共有化を申し合わせた。

 特に県弁護士会消費者問題委員会からは、金融庁と関東財務局に対して(1)貸金業者は、完全施行後は追加融資を拒否した場合、顧客に対して適切な多重債務相談窓口へ誘導する(2)店頭や現金自動預払機に同窓口に関するチラシなどの資料を配置する-とした要望書を提出し、相談窓口への誘導を強調した。

 改正貸金業法は、借入残高が年収の3分の1を超える場合には新規借り入れができない「総量規制」と「上限金利の引き下げ」がポイント。専業主婦が新規に借り入れする場合、配偶者の源泉徴収票や同意書、住民票が必要。借り過ぎや貸し過ぎを防げる半面、生活困窮者の資金需要を簡単に満たせなくなったり、業者側の事務量が増える-などの指摘もある。

 しかし、多重債務の末に自己破産や自殺に追い込まれるなどの深刻な問題を防ぎ、重大事件につながりかねないヤミ金融の利用を阻止するための今回の施行である。同法の周知徹底のため報道する側も大いに情報発信していきたいと考えている。

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