社説

物事への関心、意欲向上 充実した自然体験


 子どものころに自然体験が豊富だった大人ほど、物事への関心・意欲が高い傾向があることが、国立青少年教育振興機構の20~60代を対象にした調査で分かった。調査をした機構は「青少年の健全育成のために自然体験の充実を図っていくことが必要だ」としている。

 室内にじっとしているよりも、外で遊ぶのが大好きだった。調査の記事を読みながら、分かるような気がして、思わず「そうだそうだ」と何度もうなずいた読者も多いはず。

 『オールウェイズ三丁目の夕日』という映画が大ヒットした。映画を見て、どこかなつかしく、涙がこぼれてしまった。この映画に登場している子どもたちが、ちょうど筆者の世代だ。昭和30年代。貧しいながらも祖父母や親、きょうだいに囲まれて平穏な暮らしがあった。

 そのころの街には、至る所に空き地があって、バッタやチョウチョを捕まえた。雨が降ると道路には水たまりができた。そんな水たまりも子どもたちの格好の遊び場で、全身泥水だらけになりながらジャブジャブと遊んだ。やがて東京オリンピックが開かれ、高速道路が延び、新幹線が走った。だれもが「中流だ」と感じた。だが、振り返ると、そんな便利さと引き替えに公害・汚染が問題になり、子どもの遊び場が街から消えたような気がしてならない。

 機構の調査は、子どもの時のさまざまな体験を通じてどのような力が付くのかを調べようと男女5千人を対象に実施した。

 「海や川で貝や魚を捕ったこと」が「何度もある」人は、「なんでも最後までやり遂げたい」との質問に86%が「とてもあてはまる」「ややあてはまる」。また、「夜空いっぱいに輝く星をゆっくり見たこと」が何度もある人は、85%が「もっと深く学んでみたい」と回答したという。

 本紙の地方版は身近なニュースがじつに豊富だ。そんな中でも佐倉市では地域住民が「ホタルの里」を整備したり、茂原市では小学生たちが田んぼにアイガモを放鳥。香取市でも幼稚園児が地元の里山で腐葉土の中からカブトムシの幼虫を捕まえる-など、子どもたちの自然体験に関する記事も多い。

 年代が若くなるにつれて、自然体験が少なくなっている調査結果が気になる。

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