社説

国はさらなる救済姿勢を 原爆症訴訟、25日に地裁判決


 千葉原爆症訴訟・二次訴訟の判決公判が25日、千葉地裁で開かれる。原告4人のうち、国が認定基準を見直したため2人は認定者となり、残る2人の判断が注目される。国の基準変更後、認定者が増えているが、司法はさらに救済範囲を広げる判決を続けている。司法の判断と被爆者の要望からすれば、民主党政権が、唯一の被爆国として、さらなる救済の姿勢を示すことができるかが問われる。

 原爆症は、1945年8月、米軍が広島市と長崎市に投下した原子爆弾による被災によって生じた健康障害の総称。被爆者(被爆者健康手帳所持者)は全国約23万5千人で、医療費無料などの支援が受けられる。さらに原爆症として認定されれば、月額13万7千円の医療特別手当が支給される。

 2003年4月から、原爆症認定却下処分を不服とした306人が集団提訴へ。千葉でも03年5月から提訴し原告4人が第一次訴訟。22回の審議を経て08年10月に地裁判決が出た。この間に国の基準見直しがあり2人が認定され、未認定の2人の判決となったが、2人とも認められ、勝訴した(国が09年8月に上告を取り下げ確定)。被告の国は12連敗に。

 千葉一次訴訟と併行して06年8月から千葉二次訴訟。国の見直しで08年6月に原告4人のうち2人が認定され、未認定の男性(81)=船橋市=と女性(78)=松戸市=について、16回の審議、25日に地裁で全国25回目の判決が出る。2人の争点は、すでに皮膚がんなどで認定されている男性の白内障が放射線起因か加齢性か、女性の甲状腺機能低下症は100時間以内に入市したためかどうか。

 見直しで救済認定範囲が広がっているが、原爆症認定申請に対し却下も出ていて、08年4月~10年3月で全国の認定は5233人、却下2245人。10年度予算で国が医療特別手当に175億円を計上していることから、新規認定者を約3600人と見込んでいるという指摘も。また、国(厚生労働省)の原爆症認定行政と司法判断の乖離(かいり)の問題は依然続いている。

 現在、県内の原爆症認定者は70人(累計88人)、被爆者は県内に3019人(3月末現在)で高齢者も多く、1年間で65人減った。基準見直しと併せて、早急な認定審査が求められる。

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