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社説

ヤミ金融頼る前に相談を 改正貸金業法が施行


 デフレ経済下、景気の先行きがなお不透明な中で近年、返済し切れないほどの借金を抱えてしまう「多重債務者」の増加が深刻な社会問題になっている。この問題を解決し、利用者(消費者)が安心して借りることができる貸金市場を構築するため貸金業法が改正され(2006年12月)、6月18日から施行される。金融庁は、改正貸金業法の内容について広報・周知の徹底を図っている。しかし、施行以降にヤミ金融被害が拡大する恐れもあることから警察や地方公共団体、日弁連など関係機関と連携しヤミ金融対策のさらなる強化に期待したい。多重債務相談窓口を設けている財務省関東財務局千葉財務事務所は「ヤミ金融に頼る前にまず相談を」と呼びかけている。

 改正貸金業法のポイントは(1)借り過ぎや・貸し過ぎの防止のための「総量規制」(2)法律上の上限金利が29・2%から借入金額に応じて15~20%に引き下げられる「上限金利の引き下げ」など。「総量規制」は、借入残高が年収の3分の1を超える場合には新規の借り入れができなくなる。また、借り入れの際は源泉徴収票や給与明細など年収を証明する書類が必要。適用されるのは、貸金業者から個人が借り入れを行う場合で、銀行からの借り入れや法人名義での借り入れは除外となる。

 自己破産や返済に追われて姿を隠したり、自殺や凶悪事件の当事者にもなりかねない「多重債務問題」は近年、大きな社会問題となっており、その対策が急がれてきた。

 県や市町村、財務局(財務事務所)が受理した本人からの多重債務相談について金融庁がまとめた状況調査結果(08年度)によると、総件数は14万4248件。このうちの約6割が30代から50代の働き盛りが占めている。職業では約半数が給与所得者。借金の理由は全体の約3割が「低収入・収入減少」による生活費・教育費不足-であることが分かった。県県民生活課によると、本人以外も含めた県内の同年度の相談件数は5236件、09年度は4312件。

 雇用情勢が依然厳しい中、資金需要と多重債務問題は今後も増加が予想されており、改正貸金法の周知と生活再建と事業再生などのための多様なセーフティーネットの充実強化策の促進に大いに期待したい。

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