子どものライター火遊びが原因の火災や事故が相次ぎ、経済産業省が5月中にも規制をまとめる可能性が出ている。幼児を持つ親などから不安の声やライターの安全規制を求める世論が背景にある。痛ましい火災や事故を防ぐためにも、国としての新しい安全基準を早期に制定すべきだ。
独立行政法人の製品評価技術基盤機構(NITE)の調査によると、2004年度からの5年間のライター事故は、やけどをしたり、衣服が燃えるなどで132件。1人が死亡、9人が重傷を負った。原因判明は62件で、製品起因の構造的な問題は26件、残る36件は不注意による事故。取り扱いが不適切だったとみられる。
今回の調査では子どもの火遊びは1件だけだったが、「保護者が子どもをかばい情報提供しないためでは」(NITE)としていて、実態は相当数に上る可能性がある。今月2日に北海道で起きた車両火災では4人の乳幼児が焼死、電子式ライターの可能性が高い。8日の川崎市のマンション火災で3歳の双子兄弟焼死もライター遊びとみられ、子どもが簡単に着火できない「チャイルドレジスタンス」機能の義務化など、規制を求める声が一気に高まった。
民間調査会社「サーベイリサーチセンター」(東京都荒川区)によると2~4歳の子どもと同居する人へのアンケートで、「子どもがライターを触っているのを見た」24%、「興味を持っている」20%。好奇心がおう盛な子どものライター火遊びの危険性は高い。
ライター安全性について、海外では米国や欧州連合(EU)で厳しい規制がある。一度横にスライドしてから押さないと着火しない方式や子どもには押しづらい構造になっている。日本に国の規制はない。
調査会社のアンケートでは安全装置の義務づけに全体で80%が賛成。子ども同居の非喫煙者では90%に上った。安全基準を求める民意は明らかだ。
ライターは年間約6億個が流通、使い捨てタイプが約9割で中国からの輸入品がほとんどを占める。関係省庁の会議で、各家庭にあるライターの回収について提案された。安全基準の制定と併せて、行政が積極的に取り扱いの注意喚起や啓発活動をすることも求められる。