千葉市と千葉大は先月、「包括的な連携に関する協定」を結んだ。両者はすでに、さまざまな分野で協力してきているが、窓口の一本化で情報の共有を促進、迅速な意思決定、よりスムーズな連携実現を図るのが狙い。協定締結を機に、千葉大の所有する豊富な資源、財産を有効活用し、地域社会の活性化につなげてほしい。
千葉大には約1万5千人の学生が在籍、教職員は2800人いる。知的資源も豊富で、例えば2008年度の特許出願数は118件を数える。施設面では、県内の西千葉、亥鼻、松戸、柏の葉の4キャンパスで計約97万9千平方メートル。付属図書館の蔵書は140万冊に上る。
こうした人的資源、研究成果の知的資源、大学施設など物的資源を、どう生かすかが重要だ。大学のきめ細かな情報発信とともに、市民側にも積極的なアプローチが求められる。
締結式で斎藤康学長は、連携強化によって「われわれが何をしているか、市民に知っていただき、市民に対して何ができるかを考えたい」と述べた。この発言は「千葉大が何をしているか、まだまだ理解されていない」というもどかしい思いの裏返しといえるだろう。
一方、市民側に立てば、大学が所有する豊かな資源を把握し切れていないことになる。「国立大学は国民の財産」と考えれば、尻込みする必要はない。まずインターネットでアクセスして調べてもいいし、キャンパスを直接、訪ねて見聞するのもいい。
地域活動で学生のマンパワーが必要な場合もあるだろうし、企業による知的財産の事業化も考えられる。それぞれの有効活用法が見つかるはずだ。
地域連携の意義について、大学側は「理念とする教育・研究活動を通しての社会貢献」に置く。それは「大学のイメージアップ、ブランド力の向上につながる」とする。さらに学生にとっては、貴重な社会学習の場を得ることになる。事業化が軌道に乗れば収入になる。大学にとってもメリットは小さくないだろう。
大学の財産を活用して地域社会の発展、人材の育成を図る。学生は地域での経験を生かし能力を高めれば、社会への貢献度はさらに大きくなる。“宝”を埋もれさせてはならない。