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社説

早期に十分な税源移譲を 地方の声を政治に


 クリーンなイメージで政権交代を果たした民主党だが、現実の国会は小沢一郎幹事長の資金管理団体による政治資金規正法違反や、鳩山由紀夫首相の偽装献金問題などで揺れている。

 首相や幹事長に早期の説明が求められるのは当然だ。政府の支持率が大幅に低下しているのは、多くの国民が、民主党政権も「政治とカネ」の問題では自民党政権と同様の体質かもしれないと感じているからだろう。

 ただ、今国会で与野党とも最大限論議しなければならないのは予算案についてのはずだ。

 特に地方は、小泉純一郎元首相による「三位一体の改革」以来疲弊している。これを改善していくことが、地方にとって最大の課題だろう。

 「官から民へ」が小泉構造改革の流れだったが、「地方にできることは地方に」の掛け声の下、地方交付税が減額されながら税源移譲が不十分だったことが財源不足をもたらした。

 生活道路や上下水道など都市基盤の整備が遅滞、また全国で自治体病院の経営が悪化し休止が相次ぐなど、現在でも住民の不安を招いている。

 しかし予算案や事業仕分けを見る限り、民主党政権の地方への姿勢は、小泉氏以降の自民党のどの政権より小泉氏に近いと思える。

 現実に税金を納めている住民の多くが求めているのは、都市基盤の整備など身近な施策だ。

 一例を挙げれば、南房総の海沿い、有料道路に並行する国道がある。交通量は多いが曲がりくねった生活道路だ。連続するトンネル内は狭く歩道もないため、近隣児童は小学校までバスで通わざるを得ない。

 地元住民の声が直に政治に届かないのは、納められた税金が中央から再び地方へ-という流れ方にも問題がありそうだ。

 地方からすれば、国税の多くを地方に移譲してもらいたいほどだろう。住民はまず身近な市役所や町役場に税金を納め、自治体は住民の要望に応じた必要な予算を除いた上で国に再納付する。いくつもの川が海へ流れ込むように、税金の流れの上流を地方とし下流を国に-と。

 「コンクリートから人へ」が新政権のスローガンだが、地方で工事をしているのも、その受益者も人だ。人を生かすための「コンクリート」もあるのではないか。

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