きょう26日から臨時国会が始まる。鳩山政権が発足して約40日。鳩山由紀夫首相が初めて所信表明演説を行う。長年の政権党から野党になった自民党には 攻守所を変えて、2009年度補正予算や新年度予算編成、日本の針路と国家のあるべき姿などについて、対案を示しながら真摯(しんし)に論戦を挑んでほし い。
これまでの政権では、予算編成の多くの部分を官僚が担っていた。族議員とタッグを組み自分の省庁、部局にどれだけ予算を取ってくるか、が腕の見せどころといわれてきた。
新政権では、良きにつけ悪しきにつけ「脱官僚政治」が徹底しており、国民に政治主導を強く印象づけている。民主党のマニフェスト(政権公約)を実現すべく 予算査定や政策決定は大臣、副大臣、政務官らが担う。選挙で選ばれた政治家が、予算の使い道をきっちりチェックして、国会の場で是非を論議することは本来 の役割の一つであり、政治への信頼につながる。
一方で、看過できないことも起きている。特に事前説明もないまま八ツ場ダムの中止、09 年度補正予算における高速道路4車線化凍結方針、羽田の24時間運用国際ハブ(拠点)空港化方針など、前原誠司国土交通相の矢継ぎ早の発言は、本県をはじ め各地に波紋を広げている。国益を大義名分にした、地方の切り捨てにならぬよう国会の場で徹底的に論議してほしい。
国の借金は約800 兆円で先進国最悪の財政状況だ。限られた予算に優先順位をつけて「コンクリートから人へ」と転換するのはやむをえない面もある。だが、景気の二番底が懸念 されるなかで公共事業の大幅削減は建設業の倒産や失業者を増加させる恐れもあり、有効な経済対策も必要になる。
鳩山由紀夫首相は所信表明演説で「友愛社会」の実現などへ決意を示す見通しだが、子ども手当や高速道路料金無料化などに伴う財源、財政再建のあり方も示すべきだろう。
代表質問に臨む自民党の谷垣禎一総裁の力量も問われる。子ども手当や農家の戸別所得補償制度の財源確保策をはじめ、財政再建をどう進めるのか、高速道路無 料化と温室効果ガス削減の整合性、政策の矛盾などを追及することにより、「自民党も変わった」と国民に示すことが党勢回復の第一歩になる。