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社説

主導権の発揮に期待 鳩山首相の施政方針


 鳩山由紀夫首相は臨時国会の冒頭、政治理念を中心とした所信表明演説を行い、官僚の作文に頼らない自分の言葉で力強く施政方針を国民の前に示した。「具 体性に欠ける」「情緒的」「財政再建の道筋を示していない」などの批判は、当然のごとく沸き起こったが「戦後行政の大掃除」「格差社会の是正」を友愛精神 で打破しようとしたその意気込みは評価できるものであった。

 しかし、組閣以来40日余り。要所要所に人を配した閣僚が意欲のあまりか、発言の勇み足やブレ、閣僚間の発言のズレが見え出したことである。問われるのは鳩山首相の主導権の発揮ではないのか。

 外交の表舞台では、国連演説で「地球温暖化ガスの25%削減」を打ち出すなど一躍脚光を浴び、東アジア外交にも並々ならない決意を示している。しかし、日米同盟の保持、日米間の懸案事項では、オバマ米大統領の訪日を前に、閣僚間に不協和音が生じている。

 沖縄・普天間飛行場の移転をめぐっては、北澤俊美防衛相が「辺野古移転は、民主党公約に必ずしも矛盾しない」と言えば、岡田克也外相は「嘉手納基地への統 合」に意欲をみせる。また、海賊対策艦船への給油活動の検討でも両相間に意見の食い違いがあるようだ。3党連立合意順守を前提にするならば、アフガン支援 はどうなるのか。全く不透明である。

 所信表明には「羽田の24時間国際拠点空港化など、真に必要なインフラ整備を戦略的に進める」と確信的にうたっており、「ハブ」の言葉こそないものの、前原誠司国交相と森田健作知事との“合意”はどうなるのか。成田空港周辺自治体、県民として懸念される。

 司令塔を補佐するのか、政策調整の最大機関なのか、菅直人副総理(国家戦略担当)の沈黙も気になる。逆に、各閣僚が「我こそが主役」と突出しすぎるのはい かがなものか。官僚依存からの脱却-政治主導は一大改革。しかし、優秀な人材が揃そろう官僚群を無視しては先へ進まない。大いに国民のために働いてほしい のである。むしろ、今も今後とも鳩山首相に問われているのは、演説で見せたカリスマ性の片へん鱗りんではなく主導権を発揮する政治力ではないのか。

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