磨き抜かれた進化のスープ 麺家樹幸(千葉市緑区) | ちばとぴ ちばの耳より情報満載 千葉日報ウェブ
千葉ラーメンの達人たち

■プロフィール
山路 力也(やまじ・りきや)
フードジャーナリスト・ 千葉拉麺通信 主宰。著書に ラーメンマップ千葉3 など多数。千葉市在住。


磨き抜かれた進化のスープ 麺家樹幸(千葉市緑区)


 閑静な住宅街、あすみが丘の街並みに溶け込むようにたたずむ一軒家。垂れ幕やのぼりがなければ、ここがラーメン店だとは誰も思わないだろう。店主の中島秀幸さんは元フレンチシェフ。かつては自宅を改装したこの場所でフレンチレストランを営み人気を博したが、ラーメン好きが高じて店を変えてしまった。
 
 そんなフレンチ出身の店主が作るラーメンは、意外な純和風味。澄明でにごりのないきれいなスープを一口すすれば、口の中に鶏のうま味が一気に広がり、後から煮干しや魚節の魚介の風味が追いかけてくる。化学調味料に頼らずに素材の持つうまさをしっかりと引き出したスープは実に力強く、塩分もキリリと立った味わいで、レンゲを持つ手を一切ゆるめさせない。
 
 そして今年から強烈なうま味を持つ名古屋コーチンを使うことで、スープにさらに磨きがかかった。店主が命名した「進化のスープ」は、創業以来研究が止むことはなく、その名の通り毎日少しずつ味が進化しているのだ。熟成しょうゆを使い、SPF豚の背脂を軽く浮かせた「こくまろ醤油」も良いが、スープの良さをしっかりと受け止めたいのならば「塩」だろう。
 
 そのラーメンにフレンチの表情はうかがうことはできないが、随所にフレンチの技が光る。例えば柔らかなチャーシューはオーブンでしっかり焼き上げ肉汁を閉じ込めて、仕上げはステーキパンで香ばしく焼いたり、スープにはミネラル豊富なフランスの岩塩を使うなど、中島さんはフレンチ時代に得た高度な技術を用いて、理想の和風ラーメンを作るべくきょうも厨房(ちゅうぼう)に立つ。
 
 【交通】JR外房線土気駅から徒歩20分。電話043(295)6761。

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