すっきりとした醤油(しょうゆ)スープに細い縮れ麺(めん)、小さなチャーシューにメンマとなるとが載ったラーメン。誰もが郷愁を覚える「昔ながらの東京ラーメン」こそ日本のラーメンの原型だ。今年は日本にラーメンが誕生してちょうど百年。1910年に浅草の「來々軒」がメニューに掲げたのが発祥と言われている。今では幻の店となってしまったこの店で修業を積み、その味を受け継いでいる全国で唯一の店が千葉市・穴川にある「進来軒」である。
幕張で生まれ育った店主の宮葉進さんは、戦時中に疎開してきた來々軒の三代目と出会いこの世界に入った。10年以上の修業を経て、1968年に独立開業。野菜がたっぷり載った看板メニューの「進来メン」や、香ばしさが絶品の「チャーハン」などオリジナルメニューは数多いが、基本の「ラーメン」だけは40年以上もの間、修業先で教わった基本の味をかたくなに守り続けている。鶏ガラに豚足を加えて火加減に注意しながら、じっくりていねいに仕上げた透明なスープは、見た目同様に味わいにも一切の曇りがない。生醤油を使うことで、ふんわりと優しい醤油の香りが立ち上がってくる。たっぷりのお湯でゆでた中細麺は、プリッとした食感としなやかな弾力を併せ持つ。
流行を追って新しい味を提供する店が注目を集める中で、長年同じ味を守り続けることの難しさ。「いかに変わらぬ味を出し続けるか」という永遠のテーマに、今日も正面から向かい合う。今となっては幻となってしまった、日本のラーメンの原点がここにある。
【交通】千葉都市モノレール穴川駅より徒歩7分。電話043(251)0204。
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