3月7日(日)まで「トーク・ライク・シンギング」を絶賛上演中の赤坂ACTシアター
生まれつき言葉が歌や踊りになってしまう青年ターロウ(香取慎吾)の物語だ。大人たちはターロウに題名のとおり<歌うように話せ>と口酸っぱく言うが…効き目がない。ターロウの歌と踊りは楽しく面白い。でも会話よりまどろっこしいので周囲との折り合いが悪くなる。友人はブラザー(新納慎也)だけ。言語専門のニモイ博士(堀内敬子)は言葉の訓練を施すうちに逆にターロウに共感するのだった。そんな時、ダイソン博士(川平慈英)はターロウの脳内に住む6人のミュージシャンを発見。彼等がターロウの後ろ盾なのだ。ダイソン博士は彼等を抹殺しに行く。結果、ターロウは普通の会話ができ社会との折り合いがスムーズになったが、元気の羽根がもぎ取られ意気消沈。ところが、意外な結末に。
作・演出は人気作家の奇才・三谷幸喜、作曲は「慎吾ママのおはロック」などを手がけた小西康陽だ。昨年暮れ、アメリカのオフ・ブロードウェーで初演し評判を呼んだ。その凱旋公演だ。実に画期的なことだ。日米での公演を念頭においての舞台なので、日本語と英語(字幕)がちゃんぽんするが、ノリのいい音楽と踊り(振付=原田薫)が触媒となって、笑いを醸し出し不自然さはない。この絶妙な間合いは三谷の真骨頂だ。言葉が歌になるという発想は、音楽劇「サマーハウスの夢」(作=アラン・エイクボーン)に通じる。物語「美女と野獣」での会話はすべて歌。その主人公たちがひょんなことから人間の世界に紛れ込み大騒動。歌を介してしか会話が成立しないからお互いがギクシャク。そのズレが笑いを生じ、人間世界の矛盾も浮き彫りになるという怖いドラマだ。「トーク・ライク~」のターロウは、まさしく物語の世界の住人で、人間世界の秩序から逸脱したピュアな存在なのだ。永遠に大人になることを拒むピーターパンがターロウなのだろう。
そのターロウを軽やかに飄々と表現する香取慎吾がとても印象的だ。♪「社会不適合者のモノローグ」が耳に残る。二ケ国語を自在に操る川平慈英が歌に踊りに下駄タップに玉乗りと芸達者振りを遺憾なく発揮。数役を演じる堀内敬子、♪「あいうえおの歌」のシーンでは丁々発止で気を吐いた。新納慎也も持ち味を出して魅力的だ。...
「御木平輔のミュージカルランド」の続きは千葉日報紙面をご覧ください。
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