• 文字サイズを変更
  • 小
  • 中
  • 大
ナリタ30年 地域と空港 新たな関係へ

地域と空港協力し合い 問題解消、プラス効果を 共存共生から共栄へ

 共生の理念のもと、航空機騒音を筆頭に地域が空港から受けるマイナスの軽減に双方が知恵と力を費やしてきた。こうした“負の是正作業”から踏み出し、地域と空港が協力し合い空港のプラス効果を地域に波及させ、ともに「今より良くなる」のが「共栄」。「共存共生から共栄へ」を提唱する相川勝重・芝山町長(57)は「空港は地域の立場に立ち、地域は空港の立場に立つことが理念で、地域として空港を育てていくのが具体的な共栄のスタンスだ」と語る。

          ※            ※  

 成田空港では、暫定平行滑走路(二千百八十メートル)の二千五百メートル化や誘導路新設など機能充実に向けた整備が進む。一方で芝山地域に目を向けると、町財政に比べて豊かさが実感できない町民感情、ほとんど変化がない町の現状、将来を含めた騒音対策への不安など、対応すべき課題が残る。

 これら諸問題を解消し空港の充実を図り、地域と空港が栄えるために発足したのが「芝山町・成田空港共栄推進委員会」で、町、国、県、成田空港会社が参加した。昨年末、共栄の方向性についての最終取りまとめを行い、現在は委員会内の実現検討会議(共栄実現会議)が、空港周辺道路の整備に関する調査や埴輪などの観光資源を生かした観光施策などの検討を進めている。

          ※            ※            ※

 共栄実現会議で中心的役割を担う元町議の稲垣弘氏(52)は「成田空港会社の完全民営化、成田空港が特別な存在でなくなりつつある現実、羽田空港の一部国際化など航空政策の変化を直視しなければ」と説く。

 加えて、「地域の主張だけでは物事は前進しない。国、県、空港会社と地域が協働して諸問題に当たり空港の充実や地域振興を図らなければならない」と述べ、地域としても従来型(要求型)を改め空港と新たな関係を築く時代に入ったことを強調する。

 「成田限界論」に立ち向かうために、成田空港の機能充実が経済界を中心に、さまざまな機会で叫ばれている。稲垣氏は「空港の充実は発着回数の増加だけに限らない。今以上の環境対策や社会的貢献も含まれる」と指摘した。

 共栄推進委オブザーバーの山本雄二郎・高千穂大学客員教授(77)=成田空港地域共生委員会代表委員=は「共生の上に花が咲くのが共栄だ」とする。(第二部おわり)

当ホームページの記事、画像などの無断転載を禁じます。すべての著作権は千葉日報社および情報提供者に帰属します。

Copyright (c) CHIBA NIPPO CO.,LTD. All rights reserved.