
柏市柏の葉の東大柏ベンチャープラザを研究開発拠点とするシームス(本社・東京、漆畑直樹社長)が開発した臭気による聴覚障害者向け火災警報機セットが話題になっている。わさびのにおいで知らせるユニークな点が注目を集め、国内はもとより海外メディアにも紹介された。現在、警報機と臭気発生装置を離して設置できる改良版の開発にも取り組んでおり、さらなる販路拡大を目指している。
製品は火災警報機と臭気発生装置のセット。警報機が火災を察知すると、臭気発生装置に信号を送信、装置が作動して中に入ったスプレー缶からわさびのにおい成分が部屋に噴射される。1台で6~9畳の部屋に対応できる。
従来の聴覚障害者向け警報機は、フラッシュやバイブレーターの振動で知らせるものが中心。ただ、利用者が就寝中に光に気付かないケースが発生したり、常に振動装置を身につけていなければならないなどの短所もあった。
一方、わさび臭は三叉(さんさ)神経に痛みの感覚に近い刺激を与えて、熟睡中の人でも目覚めさせる。同社と滋賀医科大学が共同でわさび臭の覚せい効果について臨床試験を実施した結果、熟睡した被験者26人のうち25人が目覚めた。目覚めなかった1人も風邪による体調不良が理由で、「試験で覚せい効果の高さが示された」と同社は強調する。試験では、わさび臭が健康に影響がないことも分かったという。
販売開始は昨年4月。開発には約7年をかけた。わさび臭にたどり着くまでには、覚せい作用があるペパーミントやアンモニアなど数十種類のにおいを試したという。「『wasabi』は世界共通語。将来、海外にアピールするにもわさびを選定したのは良かった」と同社。実際、英放送局BBCが取材し3月に英国内で放送されるなど、外国人からの受けの良さも示された。
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