輸出用のコンテナに積み込まれる都一のうどん=千葉市若葉区の本社で
めん製造の都みやこ一いち(千葉市若葉区)は、中国やインド向けの輸出に力を入れている。経済の急成長を背景に、現地の富裕層らの間で日本食への関心が高まっているためだ。同社の売り上げに占める輸出の割合は7~8割に上り、今後も輸出中心の営業を進める。
同社のめん製品は加熱殺菌と密封包装により、常温で6カ月以上保存できるのが特徴。主力は昭和30年代に開発し国内で「爆発的ヒット」(同社)となったちぢれ乾めん「屈曲麺」や「LL(ロングライフ)麺うどん」。長時間の海運にも適し、冷凍や冷蔵のコストが低い点が特長だ。
同社製品は現在、国内シェアこそ少ないものの、東アジアや欧米では「輸出していない国はない」(同社)ほど。年間売上高約5億円の7~8割を海外輸出が占める。ほかの日本食品と同様、主に日本食スーパーや百貨店などで売られ、現地の日本人や富裕層に人気だ。めん文化の歴史があるアジア圏では各国独自の味付けで親しまれている。
同社は1930年に創業し、国内を営業基盤としていたが、他社のインスタントめんの普及や国内流通システムの整備に伴い、人気に陰りが出た。そんな折、常温保存のメリットに注目した商社を介して昭和40年代に米国輸出を始めた。
最大の輸出先は香港。ピーク時の2007年度は年間1千万食のうどんを輸出し、円高の影響などで減少した今でも600万食に上る。同社が初めて輸出した時に考案した中国語の当て字「烏冬麺(ウートンメン)」はうどんの呼称として定着している。広東省でも5月から、多店舗展開する日本と欧米系の大手スーパーで取り扱いが始まった。
一方で、同社の進出後に現地企業がうどん製造に参入したり、日本の競合も多く、販売競争は激化している。「売れると分かっているところに来るのが彼ら」と、柴内博之製造部長は商売敵の手強さを語る。東南アジア諸国ではうどんはコメを原料とする「フォー」などの市場を脅かす懸念から関税が高く、日本の約3倍の値段で売らざるを得ないことも富裕層以外への浸透を難しくしている。
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