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郷土の人の本

“小さな隣人”として観察 松本嘉幸著「アブラムシ入門図鑑」


 松本嘉幸さんの「アブラムシ入門図鑑」がこのほど出版された。松本さんは現在芝浦工業大学柏中・高校教諭である。観察会で同行すると、人間味あふれる話しぶりについつい引き込まれてしまう。大学生時代からアブラムシに恋してしまった男である。

 さて、アブラムシと言われてどんな虫を想像するだろうか。ゴキブリ?、それとも草木の茎などに群れているアブラムシかな。“べとついておいねえや”というとバラなどにつくアブラムシのことで、つぶすとべとべとするからだという人がいる。園芸をやる人ならアブラムシの害に悩まされるからよく知っている虫なのだが、一般にはマイナーな動物群で、れっきとした昆虫である。

 ではどんなふうに生まれますか?と問われたら大抵の人は卵と答えるだろう。実は赤ちゃんで生まれる。親と同じ形で生まれるのである。卵生ではなく胎生なのである。何を食べて生きているのか。セミのように汁を吸って生きている。どんな食物なのか。実はかなりの偏食者が多い。こだわり派(寄生特異性)の虫たちである。だから特定の植物の茎などから針(口針)を師管に刺し込んで栄養物をとる。

 逆に言うと、この種のアブラムシを探したいと思うなら、その植物を探せばいつもいるアブラムシを見つけられる。例えばセイタカアワダチソウなどのような帰化植物などにも赤いアブラムシ、つまりセイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシがいる。...

 同じ出版社から出た「カヤツリグサ入門図鑑」と同様手に持ちやすいA5判変形二三九ページである。アブラムシを観察するには格好の優れた図鑑である。(全国農村教育協会・二九四〇円)

(川名興・千葉県立中央博物館友の会顧問、東京湾学会理事)


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