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読者文芸

2010年4月11日


日報俳壇 山中葛子選

横芝光町 秋葉正英
歓声は山の学校春の雪
 【評】房総にはめずらしく春の雪が降った嬉しさ。立春を過ぎてから降る雪は水分が多く「ぬれ雪」「べた雪」とも言い、積もる間もなく溶けてしまうので「淡雪」の名もある。目が覚めると一面の雪景色が広がっているともなれば子供たちにとってはまさに夢の世界にちがいない。雪合戦をしているのでしょうか。山に囲まれた学校から歓声が湧き上がっているのだ。

御宿町 君塚一雄
早春に珈琲店を梯子せり
 【評】作者には「独り居の寒明けの夜赤ワイン」の句もあって、一人の時間をたのしむ醍醐味(だいごみ)が感じられよう。ところで珈琲店といえば先ずは冷暖房がととのった快適さがあって、本を読んだりおしゃべりをしたり、人が人を呼ぶ安らぎの場と言えましょう。一杯の珈琲からさまざまな事が生まれているのかも知れない「梯子せり」の早春の気分なのだ。

日報柳壇 平井吾風選

東金市 石田要
老々介護している方が先に逝き
 【評】高齢化世帯での在宅介護では、とうてい無理がくるのは当然だ。でも人ごとではないのが多くの現実で、原句のように悲しい結果にもなる…。川柳とはこんな出来事もサラリと言ってしまう事によって逆に悲しみを深く感じさせる力が有るものだ。笑いに見せて笑いでない手法が妙。

匝瑳市 宇井トクエ
子ども手当隣は四人うちはゼロ
 【評】一長一短。少子化改善対策ではあろうが、原句のような子供の居ない家庭もある。不公平と言いたいのも分かるが、助け合いの寛容な目で見てあげるとしても受け取った側は、当然な福祉として片付けないで感謝の気持ちで子供のために正しく使ってほしいものだ。ウガチの有るまとめが良い。

日報歌壇 大島史洋選

匝瑳市 佐久間美智子
幾たびか機種が変りて半世紀水にさわらず出来る洗濯
 【評】この感慨は、よくわかります。洗濯板などで洗っていたころを思うと、驚くばかりの変わりようですね。

香取市 根本静子
半世紀の絆はあるに去年(こぞ)は来ず話上手な富山の薬屋
 【評】こちらの歌も半世紀。昔は年に数回富山の薬屋さんが回って来ている家も多かったようですが、今はどうなのでしょうか。

日報詩壇 中谷順子選

 春近し
  茂原市 金綱あき子
太い幹から縦横に伸びる枝
枝の節々に生まれたばかりの新しいいのち
待ち望んでいた柔らかな
陽光を遠慮なしに吸い上げ
馥郁と膨らんでくる
小枝端からうぶ毛のついた
小さな命そっと
宇宙をのぞいて見ている
どこからか小鳥の声が
春が近いと鳴いている
遠くの山から近くの森から
大空から大地から
はじける命の花火
人の表情もかたい空気も
しだいに柔らかな光の中に
溶け出していく
影がゆれるいのちがゆれる
光がゆれる

きのう届いた絵手紙に
さくらの花が咲いていた…

 【評】絵手紙から広がる春らんまん。感性豊かな詩人に届いた桜絵を見てみたいものです。最後に種あかし、巧い詩人です。

日報学生歌壇 下平武治選

流山市 二木雄太郎
ベランダに煽られ揺れる洗濯物空に舞い上がった僕のワイシャツ
 【評】風の強い日にベランダではためいている洗濯物。それを眺めている前で作者のワイシャツが舞って行ったという。なす術もなくさぞかしあわてたことでしょう。

我孫子 出水洋一
就活の厳しい話を聞くたびに自分の力に不安は増して
 【評】厳しい厳しいと就職活動の現実を突きつけられるたびに、作者は自分の力に対する不安感が増して来るばかりだという。気持ちの伝わる現実を見つめた歌です。自信を持って下さい。

■投稿規定
▽俳句、川柳、短歌、学生短歌は、はがきに五句以内。詩は原稿用紙を使用▽はがきには、それぞれ「短歌」「学生短歌」「俳句」「川柳」と記入すること▽作品は毎月第2、第4日曜日の読者文芸欄に掲載します▽作品には投稿者の郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号を明記のうえ、〒260-0013 千葉市中央区中央4-14-10 千葉日報社文化部読者係までお送りください。


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