日報俳壇 篠崎青童選
九十九里町 篠崎典子
無農薬と一言加えブロッコリー
【評】最近は家庭菜園ブームで、主婦も種類を多く栽培する。一番困るのは病虫害だろうが、なるべくなら無農薬で作りたい。多少の知恵はいるが、わが家でも農薬は使用しない。虫は丹念に捕まえて殺す。特にブロッコリーやキャベツを虫は好くようだ。近所へおすそ分けするとき「これ有機無農薬ですよ」と付け加える。
八街市 緑川安英
母在るに勝るものなし去年今年
【評】日報俳壇では有名な親子俳人。御母堂の富田あきさんは茂原にお住まいで、八街市の安英さんとは、長く俳壇で心を通じ合っている。そのお母さんも百歳を越えたという。はたから見ればこんなうらやましい親子関係はないが、この齢(とし)になるまで母があることのうれしさ。今年も暮れ、また来る年もまた、母の愛のあることは何事にも勝るものである。
日報柳壇 平井吾風選
柏市 篠塚健
免許更新古稀へ家族の苦い顔
【評】今の時代、古希ならばまだまだお若い。だが車となれば走る凶器にもなりかねないせいか、現実の更新には厳しい審査もあり、ご家族の心配も理解できる。私はバイクの免許だけだが、それこそ乗るたびに注意を促される。原句に共鳴された方も多いのでは…。喜寿ならもっと面白かったかも。
野田市 川島一行
札束の磁力本音を引き寄せる
【評】原句の、磁力と引き寄せるがうまく相まって生かされ人間の弱さを突いた潜みが利いているのが妙。作者はキチッと五句書いて下さり他の四句も川柳らしくまとまってました。本来の川柳とは、単なる五七五だけではなくウガチが有ってこその川柳なので、説明や報告だけで終わったのでは妙味がありません…。これからも頑張ってください。
日報歌壇 大島史洋選
いすみ市 目良やす
吾が身より何かが失われつつあるを八十の齢になるをさびしむ
【評】年齢とともに失われてゆくもの、それが何なのか、確とはわからないけれど、ひしひしと実感している作者です。
千葉市 佐藤敬子
遠き日に羽子板つきし羽根に似て庭一面にパンジー舞うごとし
【評】庭一面、風に揺れながら咲いているパンジーを見て、羽子板の羽根のようだとなつかしい感じにひたっている作者。
日報詩壇 中谷順子選
酒の海で…
御宿町 君塚一雄
人恋しさに酒を呑んでいてもだあれも来ない
酒に連れられて辿りついた所にはだあれも居ない
僕が呑む酒は
やがて黒いインクになる
僕が呑む酒は
やがてペン胼胝を作る
グラスの中の氷が僕の
人生を奏でる
BGMカーメン・キャバレロは夜の帳を降ろす
星の瞬きは僕の心の逡巡
三日月は僕のためらい
【評】七十代になり離婚なさった詩人。傾斜していく自画像が等身大で書かれ涙を誘います。最終二行の心細い心象風景が美しく決っています。
日報学生歌壇 下平武治選
流山市 二木雄太郎
寒い夜の布団の温もり母の愛そっと入れてくれた湯たんぽのあり
【評】寒い夜にお母さんがそっと入れておいてくれた湯たんぽ。その温もりはお母さんの愛情の現れ。作者はその愛情を身を以て味わったのでしょう。感謝の気持ちが素直に表出されている歌です。
習志野市 及川幸恵
ぽかぽかと暖かき日の差し込んで微睡み誘う午後のひととき
【評】窓から差し込んで来る冬の日はぽかぽかとして、作者でなくともついうとうとしてしまうもの。それも昼食後の午後ともなればなおのこと。状況の伝わってくる歌です。
■投稿規定
▽俳句、川柳、短歌、学生短歌は、はがきに五句以内。詩は原稿用紙を使用▽はがきには、それぞれ「短歌」「学生短歌」「俳句」「川柳」と記入すること▽作品は毎月第2、第4日曜日の読者文芸欄に掲載します▽作品には投稿者の郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号を明記のうえ、〒260-0013 千葉市中央区中央4-14-10 千葉日報社文化部読者係までお送りください。
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