日報俳壇 篠崎青童選
匝瑳市 佐久間美智子
店仕舞い師走の風が扉打つ
【評】最近急に増えてきたのがスーパーとコンビニ。広い店舗と駐車場で客を呼び、毎日が特売日。食料の自給率が低いなんてどこの空、恐らく外国からの物も多いだろう。農村の小売店などは早くからあきらめてしまったが、頑張っていた町の商店街も、軒並みにシャッターを下ろしてしまった。消費者にも便利には違いないが、どこか少し狂いもあるのではなかろうか。
千葉市 椿良松
冬銀河呼ぶ全盲のピアニスト
【評】これは二十一歳のピアニスト辻井伸行氏である。テレビでは何度か演奏を拝見し世界で優勝もびっくりしたが、全盲であることには驚かされた。母である辻井いつ子氏の著書『今日の風、何色?』を読ませてもらって、やはり金賞は母在ればこそであると思った。素晴らしい天才は、やはり母性愛の力であり、それは冬の銀河を呼び込む力だと感じた。
日報柳壇 平井吾風選
横芝光町 佐瀬輝禿
善人になる時もある煙草税
【評】煙草(たばこ)は百害あって一利なし、ともいわれながら税収のためには一役買っている部分もある。そんな矛盾を「善人になる」の皮肉で突いたウガチがいかにも川柳的で面白い。
袖ケ浦市 石井重雄
百薬の長が一番いいクスリ
【評】酒も薬ほどに飲む程度ならまさに百薬にもなろう。果たして作者は本当にクスリ程度だったか定かではないが御年九十四歳という事ですから実感かもしれないです…。ことわざを下敷きにして返した手法が慣れていますね。これからも頑張ってください。
日報歌壇 大島史洋選
香取市 石毛海津江
山畑に一人里芋掘り居れば鈴を鳴らして猟犬走る
【評】静かな山の畑に響いてくる猟犬の鈴の音。とてもよい場面を一首にしています。
いすみ市 目良やす
畑に居ていつも一人の下校生に声かけてやる「お帰りなさい」と
【評】こちらは畑にいて下校する生徒に声をかけている歌。心あたたまる光景です。
日報詩壇 中谷順子選
浜の石
鎌ケ谷市 島根一郎
少年は海に向かって
何気なく小石を投げた
ポン、ポーンと海面を
二回跳ねた
飛び魚が
飛んだようだった
意外だった
少年は
もう一度海に向かって
小石を投げた
ポン、ポーンと小石は
海面を二回跳ねた
海の向こうは
海と空が交わる水平線
でもその先も海
その先にも空がある
少年は見えないものを
見ている
【評】「その先にも空がある」の詩文の美しさ。見えないものを追う少年の外面と内面が同時にとらえられている佳作です。
日報学生歌壇 下平武治選
流山市 飯島寛久
帰り道ここを過ぎたら別れ道だから二人でただ回り道
【評】愛(いと)しい女性との帰り道でしょうか、もうすぐ別れなければならない所が来るので何となく回り道をして帰るという。純情な二人のほほ笑ましい恋が想像できる歌です。
野田市 小松崎唯
冬の朝窓から注ぐ日の光その温もりが二度寝を誘う
【評】寒い朝ほど布団の中が恋しいもの。ましてや暖かい日の光が部屋の中に差し込んでくるとついついその暖かさでまた寝てしまう。作者の気持ちがよく分かる歌です。
■投稿規定
▽俳句、川柳、短歌、学生短歌は、はがきに五句以内。詩は原稿用紙を使用▽はがきには、それぞれ「短歌」「学生短歌」「俳句」「川柳」と記入すること▽作品は毎月第2、第4日曜日の読者文芸欄に掲載します▽作品には投稿者の郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号を明記のうえ、〒260-0013 千葉市中央区中央4-14-10 千葉日報社文化部読者係までお送りください。
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