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読者文芸

2010年1月10日


日報俳壇 篠崎青童選

酒々井町 赤羽剛
落葉掃くいつか一人になる覚悟
【評】縁あって夫婦となり、子を産み育て、家庭を育てること数十年でしょうか。お互いに健康には留意しながら年を重ねて来た。共に白髪の生えるまでどころか、死ぬ日まで一緒にとは思うものの、必ずどちらかが先に死ぬ。庭の落ち葉掃きはたやすいが、いつの日か独居になるは必定。子や孫は当てにせず、一人になる覚悟はできての庭掃除である。

鎌ケ谷市 佐藤弘
芋煮会叱ってくれし教師居て
【評】芋煮会の発祥は東北だが、最近は田舎の町でもイベントとして焼き芋の会とか、芋煮会などを計画している。それへ参加してみて、珍しい人に出会ううれしさがある。今回は、ずーっと昔、小学校のころの担任の師に会ったという。私も現在70年前(小学3年)の恩師が、応援してくださる。当時いたずら坊主だったが、しかってくれた有り難い恩師である。

日報柳壇 平井吾風選

一宮町 岡光一
ピリピリと恐れられてる幹事長
【評】シャドウキングとも言うべくは当然あの方。原句もズバリ言わないところに皮肉が利き、今や誰もが感じる実力者だろう。ただし時事吟は今だから分かるがその大半は後まで残り切れない。いずれ意味の分からなくなる句が多い。そこをいかに作れば消えない句になるかが作句の難しい課題だ。

成田市 離らっくす
カツ丼が挑む相手は黙秘権
【評】黙秘に対する取り調べの苦心に幾らかでも打ち解けさせようとする心理で、うまい物を登場させるのも方法の一つなのだろう。定番だがカツ丼が挑む…という擬人法で来たところに原句の巧みさ、潜みが妙。

日報歌壇 大島史洋選

佐倉市 平野ヨシノ
ゆず味噌のふろふき大根ほの甘く夕餉の膳にふくふくといる
【評】おいしいふろふき大根。「ふくふくといる」に、のどかな笑顔の、幸せそうなようすが浮かんできます。

香取市 小林美都
校庭に子らと育ちし銀杏の木俎板となり厨に響く
【評】校庭のイチョウの木が枯れてしまったのでしょうか。俎板(まないた)となって家庭で使われている、というところがおもしろいです。

日報詩壇 中谷順子選

摩擦音
鎌ケ谷市 笠井みち子
連結された車両快速電車の一番前の座席にいる私に
きこえる快速音は
音譜のない音ばかり
悲鳴に近い音ばかり
都会の真中を走るときは
幾百の若者の掠れた声
郊外を走るとき
休耕田と工場の間に
とり残された昔の農夫の
老いて嗄れた叫び声
走るということは
叫び声をあげるものなのか
摩擦音は
幸福な音ではない

【評】
「摩擦音」快速電車の悲鳴や叫びに、文明の悲鳴を聞いている作者。速いことは果たして良いことなのか。その答えが最終行に込められています。目の付け所の確かな詩人です。

日報学生歌壇 下平武治選

流山市 栗原由季
御神籤を引いて末吉顔曇る恋の占い成就願うに
【評】恋の成就を祈願して引いた御神籤(おみくじ)は末吉。作者のちょっぴり不満の様子が伝わってくる素直な歌です。末吉の末は末広がりの末です。これからどんどん良くなっていきますよ。

流山市 朝倉恵美子
見るものの一つ一つが嬉しくて逐一母に幼は報せ
【評】見るもの見るものすべてが珍しく、その発見の喜びをそのたび母親に報告している幼子の愛らしい様が目に浮かんできます。このような歌を詠める作者は心優しい人でしょう。

■投稿規定
▽俳句、川柳、短歌、学生短歌は、はがきに五句以内。詩は原稿用紙を使用▽はがきには、それぞれ「短歌」「学生短歌」「俳句」「川柳」と記入すること▽作品は毎月第2、第4日曜日の読者文芸欄に掲載します▽作品には投稿者の郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号を明記のうえ、〒260-0013 千葉市中央区中央4-14-10 千葉日報社文化部読者係までお送りください。


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