盛夏の関西では、「水俣」シリーズで知られるフォトジャーナリストの作品展「W・ユージン・スミスの写真」(京都市)、日本人の飾る情熱が作りあげた美をたどる「KAZARI」(京都市)、絵本をガイドとしてモダンアートに触れる「ディック・ブルーナに学ぶモダン・アートの楽しみ方」(大阪市)が開催されている。
「没後30年 W・ユージン・スミスの写真」(京都国立近代美術館)
米国人写真家、ウィリアム・ユージン・スミス(一九一八~七八年)は、「ライフ」誌で発表した第二次世界大戦中の作品や、その後のフォトエッセー、水俣に居住しながら公害の実態を伝えた作品などで、フォトジャーナリズムの歴史に大きな足跡を残した。
同館は、水俣での取材パートナーであり、伴侶でもあったアイリーン・美緒子・スミスさんが保管していた作品を継続的に収集してきたが、今回「アイリーン・スミス・コレクション」として一部を公開する。
「第二次世界大戦」「スペインの村」「ピッツバーグ」「水俣」など約百七十点で、彼の活動の全体像を紹介している。
九月七日まで。電話075(761)4111。
「KAZARI 日本美の情熱」(京都文化博物館)
「わび」「さび」で語られるストイックな日本文化の一方には、華やかな「飾る」文化もある。
「かざるDNA」「場をかざる」「身をかざる」「動きをかざる」の四章で構成。土器、祭礼や儀式の用具、かぶとや陣羽織、小袖、印籠(いんろう)、能や狂言、歌舞伎の衣装、びょうぶなど、縄文時代から近代まで、きらびやかで繊細な装飾美の変遷を見る。
陶磁器などを用いてさまざまなものを組み立てる「平田一式飾り」(島根県)による「大蛇退治」も展示され、古代から二十一世紀まで、日本人の「飾る」行為のエネルギーに圧倒される。
九月十五日まで。大幅な展示替えあり。電話075(222)0888。
「美術館に行こう! ディック・ブルーナに学ぶモダン・アートの楽しみ方」(サントリーミュージアム 【天保山】)
ウサギの主人公、ミッフィー(うさこちゃん)で知られるディック・ブルーナの絵本「うさこちゃん びじゅつかんへいく」の内容に沿って、児島虎次郎、シャガール、ミロ、カンディンスキーらの作品を「写実」「動き」「モチーフ」「色」などの切り口でわかりやすく紹介している。
さらに、ブルーナの原画、ペーパーバックやポスターのデザインなどグラフィック作品も展示し、独自の技法も探る。
また、ワークシートを使い、ブルーナの絵本制作と同じ方法で色をつける過程が体験できるコーナーも。
九月十五日まで。電話06-6577-0001。