▼野生動物が縄張や繁殖相手を巡って争うとき、お互いが致命傷を負わない前に決着がつくという。種保存のための自然の知恵なのだろう
▼きょう告示される民主党代表選を前に31日、菅直人首相と小沢一郎前幹事長の話し合いが行われた。挙党態勢を大義名分に小沢氏不出馬が注目されたが、両氏は会談後の会見で「代表選後は協力しあうことで一致した」と述べたものの、対決回避はならなかった
▼2人が争えばどちらが勝っても党分裂の可能性が懸念されている。さらに、代表が決まる14日までの2週間は政治空白が生まれる。党を二分する激しい戦いの後に挙党態勢の光明は見いだせるのか
▼報道各社の世論調査では、菅代表続投支持が圧倒的だった。国会議員の支持では上回るとされる小沢氏だが、6月に幹事長を辞任してからわずか3カ月。世論の差は「政治とカネ」の問題の説明が不十分なためだろう
▼選挙による歴史的な政権交代から1年。鳩山由紀夫首相の辞任やマニフェストの見直し問題をはじめ、政権党としてまだまだ国民の期待に応えていない
▼政権党の実力者同士が「総理の座」を争う今回の代表選。景気低迷、円高、就職難など課題山積の中、代表選後も党内が混乱しては国民は民主党を見放す。党所属議員は、1年前の政権交代の意義を忘れてはならない。「雨降って地固まる」代表選となることを望みたい。