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忙人寸語

2010年8月31日

▼わが家に初めてテレビが入ったのは、まだ小学生のころ。本放送開始から間もない1960年代半ばだったから、“テレビ世代”の草分けといっていい

▼早速、テレビに夢中になり、白黒の画面を毎晩食い入るように見ることが最大の楽しみになった。そのころスポーツ番組でプロ野球や大相撲と並んで人気だったのがプロレスで、家族そろって楽しめる庶民の娯楽の一つがプロレス中継だった

▼まだ力道山も健在で、悪役の外人レスラーに強烈な空手チョップを見舞う絶頂期の姿は今も目に焼きついている。その力道山に弟子入りし、レスラー人生のスタートを切ったという山本小鉄さんだが、突然の訃報にはやはり驚かされた

▼馬場、猪木の時代へと世は移り、少年時代の熱中がうそのようにプロレスへの関心も次第に薄れていったが、現役時代の小鉄さんは好きなレスラーの一人だった

▼華麗な決め技を誇るでも、派手なパフォーマンスを見せるでもないのに、なぜか応援したくなる存在だった

▼引退後はレフェリーやテレビ解説者として、プロレス界を盛り立てた。そうしたリング上やリングサイドでの活躍以上に、力を入れたのが後進の育成。「鬼軍曹」の異名をとるほどの厳しい指導で、多くのスター選手を育て上げた。テレビのトーク番組では温厚な素顔ものぞかせ、「鬼」ならぬ紳士的な人物という印象を残した。

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