▼落盤事故で地下700メートルに閉じ込められた男たちと、鉱山国の威信をかけて救出作業に取り組むチリ政府。通気、食料、水の供給、通信手段も確保できた。救出が急がれる。力を合わせ、極限下の日々を乗り切るしかない
▼33人の生存が確認されたのは今月5日の事故から17日後だった。地上から地下避難所に向けて試掘を繰り返し、ようやく届いたドリルを引き上げたところ、「避難所で元気にいる」との手書きメッセージが輪ゴムで巻き付けられていた
▼絶望から一転、全員無事の朗報に家族はもとより、国中が喜んだのは無理もない。現在は直径10センチほどのトンネル3本が通じ、細長いカプセルを使って食料などを届けている
▼世界を驚かせたのは事故後の冷静な行動だった。現場監督をリーダーに、掘削機で地下水を掘り出し、缶詰などわずかな食料を配給制にして命をつないだ。救出を信じればこその結束であろう
▼地下避難所は40平方メートルほどの狭い空間だが、これにつながる約2キロのトンネル内は歩き回れるという。地上から垂直に掘り進む救出用トンネルは直径70センチ。一人ずつ引き上げる計画だ
▼昼夜ない閉鎖空間で懸念されるのは精神面の健康。幸い、電話や手紙のやりとりはできる。トランプなど退屈しのぎのゲームも差し入れられる。全員がクリスマスを家族とともに過ごせるよう、「奇跡の生還」を願うばかりだ。