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忙人寸語

2010年8月7日

▼きょうは立秋だ。猛暑が続いているが、高い高い空の上では、夏の風と秋の風が行きあっていることだろう。炎暑真っ盛りのころと比べ、街路樹の影も少しずつ伸びてきた。秋の訪れは光の変化から始まる

▼立秋が過ぎても暑さがやむことはないが、それでも気温は次第に下がり始める。近所の空き地のサルスベリが薄紅色や白い花を咲かせている。今年は花の咲き具合が良いようだ。秋風のころまで咲くことから「百日紅」とも呼ばれる落葉樹だ

▼一週間ほど前、蔵王に行った。深田久弥は「われわれが蔵王と呼ぶ時には、この一連の山脈を指して言う。この長大な尾根は、東北人特有の牛のような鈍重さをもって、ドッシリと根を張っている」(日本百名山『蔵王山』)と紹介している

▼深田が「一連の山脈」と言うように、山形県と宮城県にまたがる火山群をひとまとめにして蔵王と呼ぶ。観光客に知られる火口の「お釜」は中央蔵王にあり、最高峰の熊野岳(1841メートル)や刈田岳もこの山さん塊かいにある

▼午前5時。観光客が上がってくる前にと熊野岳を目指した。深い霧に遮られ、エメラルドグリーンの山上湖「お釜」を見ることはできなかったが、荒々しい溶岩台地でコマクサと出合えたのはラッキーだった

▼「陸奥をふたわけざまに聳そびえたまう蔵王の山の雲の中に立つ」。山頂の斎藤茂吉の歌碑に、アキアカネが飛んできた。

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