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忙人寸語

2010年7月27日

▼「巨人、大鵬、卵焼き」は1961年の流行語。当時の子どもたちが好きなものを列挙した、とされる。プロ野球はON(王、長嶋)の全盛期、大相撲は大鵬が横綱昇進した年に当たる。子どもだけでなく、社会全体の人気集中を示した言葉だ

▼50年近く経過し、社会の情報化やグローバル化の進展に伴い、国民の好み、関心は多様化した。人気の対象を端的に表現する流行語は見当たらない。「巨人」「卵焼き」も一定の人気は保っているものの、往時の勢いはない

▼まして、大相撲は「人気」よりも「批判」の的になっている。力士暴行死、大麻事件から、野球賭博問題に至る不祥事の連鎖。その後も暴力団関係者との関係が次々と表面化している。定着したマイナスイメージを払拭(ふっしょく)するのは容易ではない

▼開催すら危ぶまれた名古屋場所は、白鵬の3場所連続全勝優勝で幕を閉じた。年6場所制になって以来、初の快挙。連勝記録も「昭和の大横綱」大鵬を超え、「47」まで伸ばした。一人横綱の奮闘が、相撲界を支えている

▼「15日間応援してくれた人がいたから優勝することができた」。賜杯を抱くことのできなかった悔しさ、寂しさをこらえ、白鵬はファンへの感謝を示した

▼信頼と人気回復には、この謙虚な姿勢が協会全体に求められる。名古屋場所で実感したはずの「相撲ができる喜び」を土俵内外で示し続けるしかない。

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