▼机の周辺で本が次第に山積みになっていく。張り切って買い込んだあの本、この本。読みたいと思っている本だけではない。このごろは電化製品などの取扱説明書、手引書類を持てあますようになった
▼パソコンに携帯電話、カメラ、テレビと、それぞれに高機能・多機能化とともに本体はスリムでコンパクトになってきた。反対にページ数が増え、分厚くなってきたのがマニュアルだ。分冊化したり、物によっては市販本さえ出ている
▼買い換え時には、手に取ったマニュアルの厚さに圧倒される。結局、ほとんど読まずに放置してしまうので、最低限の機能しか使えないまま。そんな人が、きっとたくさんいるはずだと思ったりする
▼便利さを手にするはずのマニュアルなのに、逆に縛られているようでは息苦しさが増す。マニュアルに書いてない事態に対応できない「マニュアル人間」への批判もよく耳にする
▼組織、集団には人間を対象にしたマニュアルもある。社会常識やマナー、規則…。ひげ禁止令を出した自治体も最近あった。決まり事が多すぎる「マニュアル社会」は居心地が悪そうだ
▼書物を買っても読まずに積み重ねておくことを「積ん読」と言ったものだが、最近は読書離れの影響もあるのか聞かれなくなった。死語になってしまったのかもしれないが、マニュアルは「積ん読」で済めば、ちょうど良い。