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忙人寸語

2010年7月11日

▼日光の男体山を歩いてきた。裏男体林道の志津乗越を朝の6時に出発した。コメツガが針葉樹の香りを放っている。足下のミヤマカタバミがかわいらしい。雨にぬれてサラサドウダンの花が散っていた

▼溝のようにえぐられた山道は蒸し暑い。木の根っこをつかんで登る。時折空が明るくなって雲が流れた。振り向くと太郎山が見えた。男体山は父、女峰山が母。太郎山は子どもというわけだ

▼イワカガミがピンクのじゅうたんのよう。シャクナゲに励まされ、きつい登りに耐えて立った頂上。また雨が降り出した。視界も利かず、二荒山神社の奥宮に参拝して中禅寺湖に下りることにした

▼途中、「六根清浄、六根清浄」と祈りの言葉を掛け声に登ってきた白装束姿の人たちと出会った。右手につえを持ち、左手を胸の高さで拝むように一歩一歩登ってくる。思わず「がんばれ」と声を掛けた

▼六根とは目、耳、鼻、舌、身、意(心)の働きのこと。つまり、不浄を見ない、聞かない、嗅かがない、味わわない、触れない、思わない-ことで俗世との接触を山ごもりなどによって断つことだ

▼日本人は昔からきれい好き。清潔を愛し、その清潔感が道義感覚と表裏一体になっていた。ずぶ濡ぬれになって祈る姿に心打たれるのも、われわれの祖先のDNAがわたしたちの心に語りかけてくるからだろう。参院選、きれいな心で一票を投じよう。

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