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忙人寸語

2010年3月12日

▼在任2年、3年の任期を果たし栄転する。年齢を重ねるにつれ、後任者との新しい出会いよりも、別離の思いが募るようになった

▼そんな中、春の定期異動で勇退することになった県警本部の幹部の一人から挨あい拶さつ状が届いた。37年にわたり各部署で警察官として全力を投入した達成感が簡潔な文章の中から強く感じられた

▼南房の地。こちらは初めての支局長。向こうは初任地の刑事課長として、お付き合いいただいた。かつて名刑事でならした夫人の父上にも駆け出し記者のころお世話になった関係からか、親しみが持てた

▼どちらかと言えば口数の少ない人。今では考えられないことだが、ある時「暴力団の組解散宣言書を受け取る。一緒に来るか」と声をかけられ組事務所に同行取材したことも忘れられない

▼今はデスク作業に身をやつすが、30年余の新聞記者稼業の中の3分の1以上が県警担当。年々思い出に残る警察官が少なくなってきた。リークなどありようはずもなく廊下トンビと夜討ち朝駆け。確認のかすかなうなずきを求める日々だった

▼仕事上の悩みは尽きることはない。しかし、春の愁いは何かもどかしさを伴って毎年巡りくる。10年前、桜の下での宴を約束しながら果たせずに事故死した若き後輩記者。間もなく命日だ。

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