▼「雪国」と言えば、川端康成の小説ではないが極めて情緒的な響きがある。しかし、そこで長く暮らしている人々にとって、冬は大変な苦難の日々なのだ
▼雪国といっても新潟ほどの豪雪地帯ではない。東北の海辺の町で生まれ育った。18歳で上京。冬でも見られる青空に感激したわけではないが、以来40年余の関東暮らし
▼中学、高校時代からの友人が、ブログを開設している。故郷の臭においをかぎたくてこれをのぞくのが日課。このところ友人の怒りが目立つ。死者4、重傷38、軽傷35。友人が示す故郷での今冬の雪による人的被害(12日現在)
▼これに続けて彼は書く。「何度でも(ブログに)書くぞメディアよ何故書かないのかこの厳然たる事実いつまでも書くぞ」とメディアを“脅し”ている。故郷の地元紙。その日の雪の人的被害は速報しているはず。ただ大被害でもなければ大見出しは躍らない
▼思い出は常に美しいか。スキー、城壁を築いての雪合戦、かまくら遊びの記憶が甦よみがえる。もちろん吹雪の日の集団登校もあった。しかし、当時『これが現実』と辛つらく思ったことはなかった
▼友人の第二の人生は遠隔地への列車通勤。「通勤前の雪かき。列車遅延。歩行中の転倒の危険も日常」と書く。君も年を重ねて愚痴っぽくなったか…。ただ垂涎(すいえん)するのみだが、季節料理の写真掲載を待つ。がんばれ。故郷の雪国の人々。