• 文字サイズを変更
  • 小
  • 中
  • 大
忙人寸語

2010年2月1日

▼凜(りん)とした富士山が見たくなり、山梨県の九鬼山を歩いてきた。たかだか970メートルの低山だが、秀麗富嶽十二景にも選ばれただけあり、ふくらはぎが悲鳴をあげるような急登をこなしてたどり着いた山頂付近からの大展望は一級だ

▼九鬼と書いて「くき」と読む。都留市と大月市の境の山で、山好きなら道志山塊とか秋山山稜といえば地図が思い浮かぶはず。山頂の直下をリニアモーターカーのトンネルが貫通している「実験線」が走る山でも知られている

▼それにしても妙な名前の山だが「昔々、あるところに…」で始まる昔話の「桃太郎」が、この九鬼山にも語り継がれていた。大月の「ももくら(百蔵)山」で生まれた桃太郎は、「鳥沢」と「猿橋」でキジとサルを、上野原の「犬目」で犬を連れ、九鬼山にすむ鬼を退治したというストーリー

▼鬼がすむ山だけあって、九鬼山から馬立山、さらに菊花山への山道は、足を滑らせれば一巻の終わりというスリル満点のやせ尾根や壁のような上り下りの連続で、鬼が島そのものだった

▼鬼伝説といえば、鋸南町の人骨山にも似たような話がある。毎年、春になると年ごろの女の子を食べていた鬼がいて、心配した村人たちが近江から「ドン太郎」という名の犬を連れてきて山の鬼を退治した物語

▼以来、この地では節分で「鬼は外」とは言わなくなった、という。暦の春も近い。

当ホームページの記事、画像などの無断転載を禁じます。すべての著作権は千葉日報社および情報提供者に帰属します。

Copyright (c) CHIBA NIPPO CO.,LTD. All rights reserved.