▼妻や社会人の長女はたまに出掛けるようだが、何年間も百貨店で買い物どころか、店内に入ったことがない。50代のオヤジには、縁のない場所の一つだ
▼子どものころは行くのが楽しみだった。おもちゃ、漫画本、スポーツ用品、ペット売り場にゲームセンター…。店内は欲しい物、見たい物にあふれ、日曜祝日にはアイドル歌手のサイン会もあった。食堂のソフトクリームは濃厚な甘さ。親に必ずねだったものだ
▼かつて千葉市中心街には扇屋、奈良屋、田畑、十字屋などが営業。お年玉をポケットに入れ、友人たちとの百貨店めぐりは1月の恒例行事だった。社会人となってもスーツ類を買い求めていたが、結婚後は足が遠のいた
▼長く小売業の主役だった百貨店業界は今、深刻な販売不振にあえぐ。全国の売上高は1998年から12年連続で前年割れ。昨年は80年代後半の水準まで落ち込み、今年も全国各地で店舗閉鎖が相次ぐ見通しという
▼スーパーや専門店との競合、個人消費の冷え込み、少子高齢化など原因はいくつもあるが、それだけではないように思える。かつてのような輝きを取り戻せるか、正念場だ
▼支持を失いつつあるのは、残念ながら新聞業界も同じ。若い世代を中心に「情報取得源」はインターネットに向かう。より多くの人たちに愛読いただける県民紙を目指して、千葉日報もあるべき姿を模索しています。